概要
生態と外見
世界の海洋に広く分布する硬骨魚類で、約 1,500 種を含む。カサゴ・メバル・ハタ (一部)・オコゼ・ホウボウ・カジカ・アンコウ (※アンコウは別目との説あり) など多様な底生魚を含む。体形は底生に適応した押しつぶされたもの〜瘤状のものまでさまざま。多くは 頬部に骨質の支持構造 (subocular shelf) を持つことが共通形態として古典的に挙げられたが、近年の分子系統では本目の単系統性に疑問が提示されている。
他分類との違い
スズキ目 (Perciformes) と近縁で長く混同されたが、頬部骨格 + 胸鰭骨の独立可動が共通点として古典分類で区別された。アンコウ目 (Lophiiformes) との関係も近く、近年は系統再整理が進行中。底生での擬態能力ではフラットフィッシュ目 (カレイ目 / Pleuronectiformes) と類似するが、左右対称を保つ点で異なる。
名前の由来
学名 Scorpaeniformes はギリシア語 skorpios (サソリ) + ainos (恐ろしい) + forma (形) に由来し、棘の毒で人を刺すオニカサゴ等の危険性を表す。和名「カサゴ」は古くから日本沿岸で食用とされ、姿が「笠 + 子」または「瘡 (かさ・かさぶた様の見た目)」に由来する説がある。
興味深い特徴
オニダルマオコゼ (Synanceia 属) は海洋魚類で最も致死性の高い毒を持つとされ、背鰭棘から 強い細胞溶解作用と心臓毒性を持つ毒液 (stonustoxin / verrucotoxin 等) を分泌する。砂泥底に擬態して動かず、人が踏むと刺される事故が東南アジア沿岸で年間数百件報告される。抗毒血清が必要となる希少な海洋魚毒の一例。
明日使えるうんちく
カサゴ・メバルは古来から日本沿岸の岩礁定着性が強く、生息域がほぼ移動しないため局所漁獲圧の影響を受けやすい 魚種。江戸前寿司・地域漁業の伝統食材として親しまれてきたが、近年は局所資源管理の重要性が高まっている。同じ「メバル」と呼ばれる魚が DNA 解析で実は 3 種に分かれることが 2008 年に判明し、種としては比較的最近に整理された珍しい例。
