概要
生態と外見
熱帯〜亜熱帯の淡水・汽水に分布する小型硬骨魚で、約 1,300 種を含む比較的大きなグループ。体長 1〜20cm 程度で、グッピー・モーリー・プラティ・カダヤシ・キリフィッシュなど観賞魚として親しまれる種が多い。多くが卵胎生 (卵を体内で孵化させて稚魚を産む)、または年魚 (1 年で生まれ・繁殖・死ぬ短命魚) として知られる。
他分類との違い
外見はメダカ (ベロニフォルメスのうち淡水メダカは現在 Beloniformes に分類) に似るが、別目。カダヤシ目の特徴は 下顎が突き出さず両顎がほぼ等長 で、上顎前突型のスズキ目とは異なる。コイ目 (Cypriniformes) とも別系統で、コイ目は腹鰭が腹位、カダヤシ目は胸位と異なる。
名前の由来
学名 Cyprinodontiformes はギリシア語 kyprinos (コイ) + odous (歯) + forma (形) に由来し「コイの歯型」の意。コイには歯がないが、本目には顎に細歯を持つことから「歯のあるコイ型」の意で命名された。和名「カダヤシ」はメダカに似てメダカではない (蚊絶やし) という意味で、蚊の幼虫駆除目的で日本に移入された外来種カダヤシ (Gambusia affinis) に由来。
興味深い特徴
南米・アフリカ乾燥地に分布する アヌアル・キリフィッシュ (annual killifish) は、雨期にできる一時水たまりで産卵し、乾季には卵が地中で休眠 (diapause / ダイアパウズ) する。雨期に水が戻ると卵が一斉に孵化し、数週間で繁殖を終えて死ぬという「年魚」生活史を持つ。脊椎動物の寿命研究モデル (Nothobranchius furzeri) としても用いられる。
明日使えるうんちく
外来種カダヤシ (Gambusia affinis) は 20 世紀前半に蚊の駆除を期待して世界各地に放流されたが、現在は在来淡水生態系を脅かす 侵略的外来種ワースト 100 の常連となっている。日本でもメダカ (在来種) を駆逐する例が報告され、特定外来生物に指定。「蚊絶やし」のはずが、結果として在来種絶やしの一因となった逆説的な事例。
