概要
生態と外見
北半球の沿岸〜内湾、河川河口の冷水域に生息する条鰭類で、現生は 90 種前後。体長 10〜30cm の小型細身魚で、銀白色の体側、円鱗、脂鰭を持つ。代表種ワカサギ (Hypomesus nipponensis) やシシャモ (Spirinchus lanceolatus) は日本でなじみ深く、河川を遡上して産卵する 両側回遊型 (anadromous / アナドロマス) と純淡水型の集団が知られる。プランクトンを主食とし、群泳する。
他分類との違い
サケ目 (Salmoniformes) と近縁で長く同目に置かれた歴史を持つが、現在は独立した目として扱われる。サケ目と比べ概して小型で、体側鱗が大きく、脂鰭を持つ点は共通する。アユ (Plecoglossidae) も従来本目に含まれてきたが、近年は科の系統的位置について議論が続いている (分類は流動的)。
名前の由来
学名 Osmeriformes は属名 Osmerus に由来し、ギリシア語 osme (匂い) を語源とする。同じ語源で「香りのする魚」の意で名付けられた。和名「キュウリウオ」は新鮮個体がキュウリのような青臭い香り (主に 2,6-ノナジエナール由来) を発することから命名された。英名 smelt も古英語 smieltan (匂いを発する) に遡る。
興味深い特徴
キュウリウオ科の魚が発する匂いは脂質由来の揮発成分で、産地・季節により強度が変動する。ワカサギは結氷湖での穴釣りで著名な対象魚で、特に北海道・諏訪湖・松原湖などで冬季風物詩となっている。シシャモ (本来種 Spirinchus lanceolatus) は北海道太平洋岸固有種で、流通量の大半はカラフトシシャモ (Mallotus villosus / 別科) という別物が代用される。
明日使えるうんちく
スーパーでよく見る「ししゃも」はほぼすべてカラフトシシャモ (capelin) で、本物の (日本産) シシャモは漁獲量が激減し高級魚化している。本物は雌の腹に明瞭な卵がぎっしり、雄は体色に銀粉のような輝きがある。両者は科レベルで別物 (Osmeridae vs Mallotidae 配置議論あり)、英名でも shishamo / capelin と区別される。
