概要
生態と外見
熱帯〜温帯の海洋・汽水域・淡水域に分布する硬骨魚類で、約 270 種を含む。サヨリ・ダツ・トビウオ・メダカ (※淡水メダカは別系統との見方もあるが伝統的に本目に含まれる) など多様な形態を含むグループ。共通する特徴は 長い吻 (jaw) と細長い体形 で、いずれも水面付近を素早く泳ぐ表層性魚類。トビウオは胸鰭を翼状に発達させ滑空距離 100m 以上を記録する例もある。
他分類との違い
スズキ目 (Perciformes) と外見が似るが、骨格構造 (とくに下咽頭骨の咽頭歯の形態) と分子系統で別目とされる。サンマ (Cololabis saira) も従来からダツ目サンマ科 (Scomberesocidae) に分類されており、サヨリ・ダツの細長い吻は同じ表層採餌に対する収斂進化の例として並べて言及される。
名前の由来
学名 Beloniformes はギリシア語 belone (針) に由来し「針型」の意。ダツ・サヨリの細長い体形を表す。和名「ダツ」は古い和名「達 (たつ)」の音転とされる説があり、英名 needlefish も同じく針を意味する。
興味深い特徴
ダツ類 (Strongylura 属等) の鋭い吻は、海中で光に向かって直進する習性と合わさり、人間が負傷する事故の原因となることが知られる。特に夜間漁業中の灯火に飛び込む事例があり、東南アジア・オセアニア沿岸では稀に死傷事故も報告される。「魚に刺される」 という珍しい事故タイプを引き起こす点で、世界の sea hazard リストに名を連ねる。
明日使えるうんちく
トビウオ (Cypselurus 等) は 魚類における能動的飛行に最も近い行動 を行い、滑空距離は通常 30〜50m、特に長い例では 200m に達する記録もある。滞空時間も 2008 年に屋久島近海で撮影された 45 秒の事例が単一観測としてよく引かれる (各記録は別々の観測に由来する点に注意)。胸鰭で空中を滑り、尾の下葉で水面を高速にたたくことで連続滑空 (10 数回連続) も可能で、漁場以外でもフィリピン・インドネシアでは観光船から眺める対象となっている。
