概要
生態と外見
スズキ目は、硬骨魚類の中で最大の目で、現生約 10,000 種を擁し全魚類種数の 4 割以上を占める。体は紡錘形が基本だが扁平・棒状など多様、棘条 (とげじょう) と軟条の両方を備えた背鰭が共通。海産が主だが淡水進出組も多く、スズキ・タイ・アジ・サバ・ハタ・キンメダイ・カジキなど食用魚の大部分が本目に含まれる。
他分類との違い
コイ目 (Cypriniformes) ・ナマズ目 (Siluriformes) ・ニシン目 (Clupeiformes) など他の硬骨魚目は背鰭に棘条がなく軟条のみ、または棘条があっても明瞭な「棘条部 + 軟条部」の二分構造を欠く。本目は背鰭の前半が硬い棘、後半が柔らかい軟条と明確に分かれ、胸鰭・腹鰭にも棘条があるのが基本パターン。近年の系統解析で多系統 (polyphyletic) と判明し、再編成が進む過渡的な分類群。
名前の由来
模式属 Perca (ペルカ、ヨーロッパパーチ) + -iformes で「パーチ型の魚の目」。perca はギリシア語 perke (まだら模様) が起源で、淡水パーチの体側模様を指す。和名「スズキ目」は日本産代表種スズキ (Lateolabrax japonicus) を冠した目名。
興味深い特徴
本目には淡水魚最強の捕食者 (アロワナ目との比較で議論があるが) シクリッド類 (Cichlidae) が含まれ、東アフリカのヴィクトリア湖・タンガニーカ湖・マラウィ湖で 1,000 種以上が爆発的に種分化した「進化のホットスポット」を作っている。1 個体の口腔保育 (mouthbrooding)・派手な体色・口の形状適応が多様化を加速させた古典的な adaptive radiation の例。
明日使えるうんちく
スズキ (Lateolabrax japonicus) は日本では出世魚で、稚魚を「セイゴ」、中型を「フッコ」、成魚を「スズキ」と呼び分ける伝統がある。江戸時代から夏の高級魚として珍重され、夏の旬の「洗い」(刺身を氷水でしめる調理) は涼味料理の代表例。
