概要
生態と外見
肺魚綱は、肉鰭類 (にくきるい、ヒレの中に骨が筋肉とともに伸びる魚類グループ) に属し、空気呼吸用の鰾 (うきぶくろ) を「肺」として発達させた古代魚のグループ。現生は 3 大陸に 1 属ずつの計 6 種のみ。体長 1-2 m、丸太のような円筒形の体に、葉状あるいは紐状の対鰭を 4 本、ヘビのような尾鰭を持つ。
他分類との違い
普通の硬骨魚 (条鰭綱 Actinopterygii) は鰾を浮力調整用に使い鰓で呼吸するのが基本だが、本綱は鰾が一対の肺へと進化し、水中の鰓呼吸と水面での空気呼吸を切り替えられる。対鰭の骨格構造は陸生四足動物の前後肢と同じ「上腕 / 大腿 1 本 → 前腕 / 下腿 2 本 → 指骨」の基本形を備えており、陸上脊椎動物の起源を考える上での鍵となる系統。
名前の由来
ギリシア語 di (二) + pnein (呼吸) で「二重呼吸する者」。鰓と肺の両方を併用することを表す。和名「肺魚」も同義。
興味深い特徴
アフリカ肺魚 (Protopterus 属) は乾季に泥の中に潜り、粘液で繭 (cocoon) を形成して数ヶ月から最大 4 年間夏眠 (estivation) する。代謝率を数十分の一に低下させ、尿素を蓄積しつつ生存し続けるこの能力は、陸上適応の前段階を示す生きた実験室として高く評価されている。
明日使えるうんちく
オーストラリア肺魚 (Neoceratodus forsteri) はクイーンズランド州のメアリー川とバーネット川にしかいない固有種で、現生肺魚の中で最も原始的とされる。化石記録は 1 億年以上ほぼ変化がなく、ダーウィンが「生きた化石」と呼んだ動物の代表例。州を挙げて保護され、ダム建設計画が反対運動で撤回された前例もある。
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