概要
生態と外見
ハイギョ目は現生種が南米肺魚 (Lepidosiren paradoxa)・オーストラリア肺魚 (Neoceratodus forsteri)・アフリカ肺魚 (Protopterus 属 4 種) の計 6 種のみからなる肉鰭類 (Sarcopterygii) の目。体長 0.4〜2 m 級に達し、淡水の池沼・河川に分布する。鰓に加え浮き袋から進化した肺を持ち、空気呼吸で乾季を生き延びる能力を持つ。
他分類との違い
シーラカンス目 (Coelacanthiformes) と並ぶ現生肉鰭類の代表で、四肢動物 (Tetrapoda) の起源研究で重要。条鰭類 (Actinopterygii) とは肺・鰭骨格構造で大きく異なり、シーラカンス目とは鰭形態 (ハイギョは鞭状 vs シーラカンスは葉状 lobe) で区別される。両生類と最近縁とされる場合と、シーラカンス目と最近縁とされる場合で系統解析結果が揺れている。
名前の由来
学名 Ceratodontiformes は属名 Ceratodus (ギリシャ語 keras 角 + odous 歯、湾曲した歯板を意味) に由来する。和名「ハイギョ」は「肺魚」で、空気呼吸用の肺を持つ魚の意。英名 lungfish も同義。
興味深い特徴
アフリカ肺魚 (Protopterus) は乾季に泥中に潜り粘液で繭 (cocoon) を作り、最長 4 年級まで休眠 (estivation) 可能。代謝率を通常の 1/60 級まで下げ、肌から尿素を排泄して水の損失を最小化する。オーストラリア肺魚は他の種と異なり鰓呼吸主体で、絶対嫌気呼吸ではないため繭形成しない。発生学的には四肢動物との共通祖先に近い特徴を多く保持しており、進化研究の重要なモデル動物。
明日使えるうんちく
オーストラリア肺魚 (Neoceratodus forsteri) は化石記録上 1 億年級遡れる古い系統で、現在も「Queensland lungfish」として現生し、ワシントン条約 Appendix II で保護されている。アフリカ肺魚はガーナ・コンゴ等の現地住民が泥中の繭から掘り起こして食用にする伝統があり、地域社会の重要なタンパク質源として位置付けられている。
