概要
生態と外見
クモヒトデ綱は、棘皮動物門のうち中央の小さな盤 (体盤、たいばん) と、そこから放射状に伸びる細長い 5 本の腕を持つグループ。腕は体盤と明瞭に分かれ、内部で多数の脊椎骨様の骨片 (オセル) が関節して柔軟に動く。体盤の直径は 1-3 cm、腕の長さは体盤直径の 5-20 倍に達することもある。
他分類との違い
姿の似たヒトデ綱 (Asteroidea) では腕が体盤と一体化して境界が曖昧、腕の内部に管足を多数並べて歩行に使うのに対し、本綱は腕と体盤の境界が明瞭で、管足は感覚と摂食専用 (歩行は腕の蛇のような波動運動による)。学名通り、ヒトデが「星」の形ならクモヒトデは「蛇足を持つ星」の形と覚えると区別しやすい。
名前の由来
ギリシア語 ophis (蛇) + oura (尾) + eidos (形) で「蛇の尾のような形」。長く細い腕が蛇のようにくねって動くさまを表す。和名「クモヒトデ」は腕がクモの足のように見えることから。
興味深い特徴
腕は捕食者に掴まれると簡単に自切 (じせつ、自ら切り離す) するが、その後 1 ヶ月程度で元通り再生する。再生中の腕は「若い」骨片で構成され色が薄いことから、個体の生存履歴を腕色の濃淡で読み取れる場合がある。
明日使えるうんちく
Ophiocoma wendtii (赤クモヒトデ) は骨格中の方解石 (カルサイト) 結晶を微小レンズとして機能させ全身を光受容器として使う可能性が Aizenberg ら (Science 2001) により報告された。眼のない動物が体全体で「見る」というアイデアは光学設計の研究者にも刺激を与え、その後の研究 (Sumner-Rooney ら 2018 ほか) で行動レベルでの光応答も確認されている。
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