概要
生態と外見
ウミユリ綱は、棘皮動物門のうち口を上向きにして生活する唯一の現生グループ。茎を持って海底に固着する「ウミユリ」と、茎を失って腕で這い回り遊泳もする「ウミシダ」に分かれる。腕は基本的に 5 本だが、それが多数に枝分かれして 10-200 本に増え、各腕に羽枝 (うし、小さな枝) が並んで花弁状に開く。
他分類との違い
同じ棘皮動物のヒトデ綱 (Asteroidea) ・ウニ綱 (Echinoidea) ・クモヒトデ綱 (Ophiuroidea) ・ナマコ綱 (Holothuroidea) が口を下に向けて海底面を這うのに対し、本綱は口面を上に向け、腕を花弁のように広げて落下する有機物プランクトンを濾過摂食する。この姿勢の反転と濾過食性は棘皮動物の中で最も原始的な生活様式を残していると考えられている。
名前の由来
ギリシア語 krinon (ユリ) + eidos (形) で「ユリのような形」。茎の先に冠状の腕を広げる姿が陸上の植物ユリを連想させたことに由来する。和名「ウミユリ」もこの姿を直訳したもの。
興味深い特徴
古生代 (5.4-2.5 億年前) の浅海では本綱が大繁栄し、海底を覆い尽くす「海百合床 (シーリリーベッド)」を形成した。日本の石灰岩採石場で見られる白い円盤状の化石は、ほとんどがウミユリの茎の断面である。現生種は深海 (数百-数千 m) に多く、浅海に進出するのは主にウミシダ。
明日使えるうんちく
ウミシダは腕を波打たせて遊泳できるが、その姿は古代ギリシア彫刻のアカンサスの葉のように優雅で、英語では「フェザースター (羽の星)」と呼ばれる。日本の伊豆・沖縄のダイビング名所では夜になると岩陰から這い出して捕食するトラフウミシダ等が観察でき、昼間とは別の海中風景を見せてくれる。
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