概要
生態と外見
ナマコ綱は、棘皮動物門のうち体が前後に細長く伸びた円筒形をとり、五放射相称が大きく崩れた特殊なグループ。体長は 5 cm-3 m、皮膚に微小な骨片 (1 mm 以下の C・桐・テーブル型などの形) が散在し、ヒトデやウニのような硬い骨格は失っている。口の周囲には触手 (10-30 本) が冠状に並び、海底の有機物を集めて食べる。
他分類との違い
他の棘皮動物 (ヒトデ・ウニ・クモヒトデ) が体軸を上下に向けて五放射対称を保つのに対し、本綱は体軸を水平に倒し、5 つの「歩帯 (ほたい、管足が並ぶ縦帯)」が体の腹側 3 本・背側 2 本に分化した二次的な左右相称性を発達させた。皮膚は伸縮し脱力時には液状化して狭い隙間を通り抜けることもできる。
名前の由来
ギリシア語 holothourion (古代ギリシア人がナマコや原索動物を指して使った海産動物名) に由来し、語源は holos (全体) + thouros (跳ねる) とされる説が有力。和名「ナマコ」は「生 (なま) の海鼠」の意で、「海鼠」はその姿を鼠に喩えた漢語。
興味深い特徴
身を守るとき、肛門から内臓 (腸・呼吸樹) を体外に放出して捕食者の注意をそらす「内臓放出 (evisceration)」を行う。一部の種は粘着性の長い管 (キュビエ氏管) を肛門から噴出して敵にまとわりつかせる。失った内臓は 2-6 週間で完全再生する驚異的な能力を持つ。
明日使えるうんちく
ナマコは中華圏で乾燥品「海参 (はいしぇん)」として珍重され、戦前の長崎-福建貿易を支えた「俵物三品 (海参・干鮑・フカヒレ)」の筆頭品目。近年は東南アジアの過剰漁獲で資源量が激減し、ワシントン条約の規制対象種が増えつつある。
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