概要
生態と外見
花虫綱は、刺胞動物門のうちポリプ世代のみで生涯を過ごす定着型グループ。クラゲ世代を完全に失っており、岩盤に固着した状態で触手を放射状に広げ、漂着するプランクトンを捕食する。サンゴ・イソギンチャク・ウミトサカ・ウミエラなどを含み、サンゴ礁の生物多様性の基盤を形成する。
他分類との違い
ヒドロ虫綱・鉢虫綱がクラゲ世代を経るのに対し、本綱はポリプ世代のみで完結する点が決定的に異なる。さらに口の周囲に咽頭 (いんとう、口腔から内部へ続く管状構造) を持ち、消化管腔が放射状の隔膜 (かくまく、消化腔を仕切る縦の壁) で 6 または 8 区画に分かれる解剖学的特徴で他綱と区別される。
名前の由来
ギリシア語 anthos (花) + zoon (動物) で「花の動物」。触手を広げたポリプの姿が花弁を開いた花に似ることから命名された。和名「花虫」も同義の直訳。
興味深い特徴
造礁サンゴは体内に褐虫藻 (かっちゅうそう、英 zooxanthellae、共生する単細胞藻類) を住まわせ、藻の光合成産物から栄養の 9 割以上を得ている。海水温の上昇でこの藻を放出すると「白化現象」が起こり、サンゴ自体が餓死する。クマノミとイソギンチャクの共生では、クマノミ側の体表粘液がイソギンチャクの刺胞細胞の発射を抑制している。
明日使えるうんちく
イソギンチャクが砂浜などで踏まれてもしぼむだけで済むのは、骨格を持たず体内の水圧 (静水圧骨格) で形を保つから。水を抜けば縮み、入れれば膨らむ「水風船」のような構造で、骨を持たずに体を支える進化的解の一つである。
この説明は役に立ちましたか?
下位分類
9件この分類の生物
8種同じ門の他の綱
刺胞動物門(門) の他の綱分類ツリー
分類ツリーを見る
花虫綱 の分類階層を樹形図で確認する
