概要
生態と外見
多板綱は、軟体動物門に属し、楕円形の背中に 8 枚の重なる殻板 (かくばん) を瓦のように並べたグループ。代表的なヒザラガイ類は岩礁の岩肌に強く吸着して藻類を削り取る。体長 1-30 cm、殻板の周囲には筋肉質の「肉帯 (にくたい)」が殻を縁取り、種によって細かな棘や鱗で装飾される。
他分類との違い
他の軟体動物が殻を 1 枚 (巻貝・腹足綱) または 2 枚 (二枚貝綱) で持つのに対し、本綱は 8 枚の独立した殻板を関節させ、岩面の凹凸に合わせて体を曲げて密着できる柔軟性を獲得した。捕食者に襲われると体を丸めてダンゴムシのように防御姿勢を取れるのも 8 板構造ならでは。
名前の由来
ギリシア語 poly (多い) + plax/plakos (板) + phero (担う) で「多くの板を担う者」。背中の 8 枚殻板の様子を端的に示す。和名「多板」「ヒザラガイ (膝皿貝)」も同義で殻板の見た目を表す。
興味深い特徴
歯舌 (しぜつ、歯が並んだベルト状の摂食器) の歯先に磁鉄鉱 (Fe3O4) を蓄積し、自然界で硬度・耐摩耗性ともに最高クラスの生体材料を生成する。岩石をも削り取る切削能力があり、磁石にも吸着するこの「鉄歯」は材料科学者がバイオミネラリゼーションのモデルとして研究している。
明日使えるうんちく
日本各地の磯ではヒザラガイが食用にされてきた地域があり、沖縄では「マブヤ (ヒザラガイ)」と呼ばれて生食や酢の物にされる。岩から剥がす際には素早く一気にこじ取らないと、警戒した個体が岩面に強く吸着して剥がすのが極めて困難になる。
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