概要
生態と外見
有鱗目オオトカゲ科の現生最大級トカゲで、雄は全長 2.6〜3.0 m・体重 70〜90 kg 級 (最大記録 3.13 m・166 kg)、雌はやや小型。全身灰褐色〜暗褐色の鱗板に覆われ、長い舌でヤコブソン器官による化学感覚を行う。インドネシアのコモド・リンチャ・フローレス等の小スンダ列島に固有で、5 島合計約 1,400 頭が生息。シカ・水牛・イノシシ等の大型獲物を捕食する頂点捕食者。IUCN レッドリストでは Endangered (EN) 評価 (2021 年改訂、Vulnerable から引き上げ)。
他分類との違い
同属 Varanus のミズオオトカゲ V. salvator やサバンナモニター V. exanthematicus と比べ、明確に大型化し島嶼隔離による「島嶼巨大化」の典型例。狩猟戦略も他のオオトカゲと異なり、毒腺と細菌叢を併用した「咬傷後追跡型」で大型獲物に対抗。化石記録ではオーストラリア大陸の絶滅種 Varanus priscus (メガラニア) が最大で全長 5 m 級と推定されており、コモドオオトカゲは島嶼に残った中型化系統と考えられる。
名前の由来
学名 Varanus komodoensis の Varanus はアラビア語 waral (オオトカゲ) のラテン語化、komodoensis は「コモド島産の」を意味する。1910 年に Pierre Ouwens が初めて学術記載した時、地元住民から「陸のワニ」と呼ばれていた怪物として欧州に紹介された。和名は産地と体格から。
興味深い特徴
下顎の毒腺から血液凝固阻害物質を含む毒を分泌することが 2009 年に確認され、従来の「口腔細菌による敗血症で獲物が死ぬ」説は補足説に修正された。実際は出血と低血圧で衰弱した獲物を追跡し捕食する戦略。雌は単為生殖 (parthenogenesis) で雄個体を産める珍しい性決定 (ZW 型) を持ち、雄不在の動物園で雌のみから出産した事例が複数報告されている。
明日使えるうんちく
幼体は捕食圧から逃れるため樹上生活を送り、地上に降りるのは体長 1 m を超えてから。獲物に咬みついて逃した後、化学感覚で 4〜5 km 先の血の匂いを追跡する能力を持つ。寿命は野生で 30 年前後とされる。コモド国立公園 (UNESCO 世界自然遺産) で観光資源として保全されている。
基本情報
Varanus komodoensis
ヴァラヌス・コモドエンシス
Komodo dragon
コモドドラゴン
