生態と外見
条鰭綱フグ目フグ科に属する海水魚で、日本近海をはじめ北西太平洋に分布する。全長は 70 cm 級まで成長する。背は黒っぽく、胸びれの後ろに白く縁取られた大きな黒い斑紋をもつ。腹は白い。身の危険を感じると胃の一部をふくらませ、水や空気を吸い込んで体をまんまるに膨らませる。歯はくちばし状に癒合し、貝やエビ、カニのかたい殻をかみ砕いて食べる。
他分類との違い
フグ目の中でも本種を含むフグ科は、体を大きく膨らませる能力と、上下に 2 枚ずつ癒合したくちばし状の歯をもつ点が特徴である。一般的な魚のように腹びれをもたず、背びれと尻びれを小刻みに動かしてホバリングするように泳ぐ。
名前の由来
属名 Takifugu は日本語の「フグ」に由来する。種小名 rubripes はラテン語で「赤い足 (ひれ)」を意味し、ひれの色にちなむ。和名「トラフグ」は、体の斑紋や模様をトラに見立てたものとされる。
興味深い特徴
内臓などに強い毒 (テトロドトキシン) をもつことで知られ、この毒は神経の伝達をさまたげる作用をもつ。毒は本種自身がつくるのではなく、餌を通じて体内に蓄えられると考えられている。また本種のゲノムは脊椎動物の中でとくに小さいことで知られ、遺伝子研究の重要なモデルになっている。
明日使えるうんちく
日本では高級食材として珍重され、毒のある部位を取り除く調理には免許が必要とされる。コンパクトなゲノムをもつことから、人の遺伝子を探す研究の手がかりとしても世界的に活用されてきた。