概要
生態と外見
キタムラサキウニ Strongylocentrotus nudus は北太平洋 (北海道・サハリン・朝鮮半島・カリフォルニア北部) の岩礁帯 (水深 0〜180 m) に分布する大型ウニで、殻直径 6〜9 cm、棘長 2〜3 cm の濃紫色〜黒色の棘を持つ。海藻 (コンブ・ワカメ・アラメ等) を主食とする草食性で、藻場形成・破壊の主因となる。
他分類との違い
同じ Strongylocentrotidae 科のバフンウニ (Hemicentrotus pulcherrimus) より大型で棘が長く色彩が暗い。Toxopneustidae 科のラッパウニ (Toxopneustes pileolus) は花弁状の毒叉棘 (pedicellaria) を多数持つ点で本種と大きく異なる。
名前の由来
属名 Strongylocentrotus はギリシャ語 strongylos (球形の) + kentrōtós (棘を持つ) で「球形の棘持ち」。種小名 nudus はラテン語で「裸の」の意。和名は北方産で紫色の棘から。なお本種は近年の系統解析 (Biermann et al., 2003) で Mesocentrotus 属に移され、現在は Mesocentrotus nudus (A.Agassiz, 1864) として扱われることが多い。
興味深い特徴
本種を含む Strongylocentrotus 属は近縁種 S. purpuratus のゲノムが解読されたウニ類モデル系統 (Sea Urchin Genome Sequencing Consortium, 2006) であり、棘皮動物の発生学・進化発生研究の主要モデル生物。北海道・東北の漁業では「赤色卵」と呼ばれ高級寿司ネタとして重要。
明日使えるうんちく
本種は北日本沿岸の「磯焼け (海藻群落の消失)」の主因の 1 つで、漁場の海藻群落 (アラメ・カジメ) を食い尽くす一方、本種の卵巣自体が高級食材として漁獲対象でもあるという二律背反の生態関係にある。三陸海岸では本種の駆除と漁獲を組み合わせた藻場再生プログラムが実施されている。
基本情報
Strongylocentrotus nudus
ストロンギロケントロタス ヌドゥス
Northern sea urchin
ノーザンシーウーチン
6〜9 cm(殻直径。棘長2-3cm)
草食(海藻(コンブ・ワカメ・アラメ等))
岩礁帯(水深0-180m)
北太平洋(北海道・サハリン・朝鮮半島・カリフォルニア北部)
