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クルマエビ(クルマエビ)

Penaeus japonicus

概要

生態と外見

クルマエビ科クルマエビ属の大型エビ類で、体長 15〜25 cm 級 (雌が大型、最大 27 cm の記録あり)。体色は灰白色〜淡黄色の地に黒褐色の横縞が並び、丸めた時に車輪状に見えることから和名が付いた。インド洋〜西太平洋の沿岸砂泥底 (水深 10〜100 m) に分布し、日本では北海道南部以南の内湾に普通。夜行性で日中は砂泥に潜って眼柄のみを出し、夜間に多毛類・小型甲殻類・有機物を採食する。地中海・紅海にもスエズ運河経由で侵入定着 (lessepsian migrant)。

他分類との違い

同科のウシエビ Penaeus monodon (ブラックタイガー) と比べ、体側縞模様が車輪状に密で、第 5 腹節以降の縞が黄色を帯びる点で識別される。ウシエビは黒色縞が広く間隔も大きい。同属のヨシエビ Penaeus semisulcatus とは額角 (rostrum) の歯式で区別され、本種は上縁に 8〜10 歯、下縁に 1〜2 歯。テナガエビ科 Palaemonidae と異なり、第 1〜3 歩脚に鋏 (chela) を持つが第 4〜5 歩脚は鋏を欠く。

名前の由来

学名 Penaeus japonicus の属名 Penaeus はラテン語の魚名 paena (旧称) に由来し、種小名 japonicus は基準産地が日本沿岸であることを指す。Spence Bate により 1888 年に記載。和名「クルマエビ」は体側の横縞が車輪状に見えることに由来し、江戸期から食用エビとして珍重された。市場では「マキ」「サイマキ」とも呼ばれる。

興味深い特徴

夜行性で昼間は砂泥に深く潜るが、眼柄を地表に出して周囲を警戒する。砂中の温度を感知し、適温域への走性 (thermotaxis) に利用される (エビ類は変温動物のため哺乳類的な体温調節は行わない)。日本水産業上重要な種で、藤永元作により 1940 年代に世界で初めて人工種苗の量産 (完全養殖) が確立された。塩水耐性が広く、淡水希釈域 (汽水) でも数時間生存可能。

明日使えるうんちく

英名「kuruma shrimp」は日本語の「車海老」がそのまま英語化したもの。寿司ネタとして握る前に殻ごと素早く茹でる「踊り食い」「躍り焼き」では生時の青みがかった半透明色から鮮やかな赤橙色に変色し、これはアスタキサンチンとタンパク質の結合解離による。スエズ運河開通 (1869) 以降、地中海東部に定着した代表的な lessepsian 移入種の一つとして、生態学的に注目されている。

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基本情報

学名

Penaeus japonicus

学名(カナ)

ペナエウス・ヤポニクス

英名

Kuruma shrimp

英名(カナ)

クルマシュリンプ

大きさ

15〜25 cm(体長。最大27cm)

食性

雑食(多毛類・小型甲殻類・有機物)

活動時間帯

夜行性

生息環境

沿岸砂泥底(水深10-100m)

分布

インド洋〜西太平洋(日本では北海道南部以南の内湾)

見られる施設

施設情報は施設別ページから確認できます。

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論文

Status of fisheries and aquaculture of kuruma shrimp Marsupenaeus japonicus in Japan

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