生態と外見
有鱗目コブラ科の大型の毒ヘビで、全長 3〜4 m 級 (大型個体は 5 m 超の記録あり) と毒ヘビとしては世界最長。褐色〜オリーブ色で、威嚇時に細めのフードを広げて頭を高く持ち上げる。東南アジア〜インド亜大陸の森林に生息し、主に他のヘビを捕食するヘビ食 (蛇食) に特化する。
他分類との違い
インドコブラなど他のコブラ類が小動物を幅広く食べるのに対し、本種は他のヘビを主食とする蛇食に特化し、その学名 (ヘビを食べる者) もこれを表す。同じコブラ科でも独立した属 Ophiophagus に分類され、後頭部に大きな鱗 (後頭板) を持つ点で他属と区別される。
名前の由来
学名 Ophiophagus hannah の Ophiophagus はギリシャ語 ophis (ヘビ) + phagein (食べる) で「ヘビを食べる者」を意味し、ヘビ食の習性を表す。hannah はギリシャ神話の木の精 (ハマドリュアス) にちなむとされる。和名・通称「キングコブラ」は最大の毒ヘビであることを「王」で表した英名 King cobra の翻訳。
興味深い特徴
ヘビ類では珍しく、雌が落ち葉などを集めて巣を作り、その中に産卵して卵を守る営巣・抱卵に近い行動を持つ。毒は神経毒を主体とし、一度に注入する毒量が多いため、咬傷は危険性が高い。一方で性質は比較的臆病で、人を避ける傾向があるとされる。
明日使えるうんちく
蛇食に特化しているため、他の毒ヘビの毒に対しても一定の耐性を持つことが知られる。最近の研究では、地域ごとに複数の系統に分かれることが示され、分類の見直しが議論されている。森林の頂点捕食者の一つとして、ヘビの個体数調整に関わる役割を担う。