概要
生態と外見
有鱗目コブラ科の中型の毒ヘビで、全長 1〜1.5 m 級。威嚇時に首の肋骨を広げて作るフード (頸部の扁平な拡張) と、その背面にある眼鏡状の斑紋が最大の特徴。インド亜大陸の農地・森林・人里に広く生息し、ネズミ・カエル・他のヘビなどを捕食する。インドで医療上重要な毒ヘビ「ビッグフォー」の一つに数えられる。
他分類との違い
クサリヘビ科 (出血毒主体) と異なり、本種を含むコブラ科は神経に作用する毒を主体とする。同属 Naja のヘビは多くがフードを広げる点で共通するが、本種はフード背面の眼鏡状の斑紋が特徴的。クサリヘビ科のようなピット器官 (赤外線感知) は持たない。
名前の由来
学名 Naja naja は属名と種小名が同じ「同名 (tautonym)」で、Naja はサンスクリット語 naga (ヘビ・蛇神) に由来するとされる。和名・通称「インドコブラ」は分布の中心であるインドと、ポルトガル語 cobra (ヘビ) に由来する「コブラ」を組み合わせた呼称。
興味深い特徴
毒は神経伝達を阻害する神経毒 (シナプス後膜の受容体に作用する成分を含む) を主体とし、加えて細胞を傷つける成分も含む。咬まれると神経筋接合部の伝達が妨げられ、筋肉の麻痺を引き起こしうる。フードを広げて体を持ち上げる威嚇姿勢は、捕食者や人への警告として働く。
明日使えるうんちく
インドの蛇使いが笛で「躍らせる」ことで知られるが、ヘビは耳の構造上空気中の音をほとんど聞かず、実際は笛の動きに反応していると考えられている。神話・宗教と深く結びつき、ナーガ信仰の対象として崇敬される一方、農村では咬傷被害も多く、抗毒血清の整備が重要な課題となっている。
基本情報
Naja naja
ナジャ・ナジャ
Indian cobra
インディアンコブラ
1〜1.5 m(全長)
肉食(ネズミ・カエル・他のヘビ)
農地・森林・人里
インド亜大陸
