概要
生態と外見
ニセクロナマコ Holothuria edulis はインド洋・西太平洋の浅海 (水深 0〜40 m) に広く分布する中型ナマコで、体長 20〜30 cm 級。背面は黒紫色〜暗赤褐色で、腹面はピンク〜赤色を呈する。サンゴ礁の砂底・礫地で堆積物食性 (deposit feeder) として生活する。
他分類との違い
同じ Holothuriidae 科のクロナマコ (Holothuria atra) は外見が類似するが、本種はピンクの腹面で識別される。Stichopodidae 科のマナマコ (Apostichopus japonicus、温帯日本沿岸の食用ナマコ) とは分布・体色が大きく異なる。Holothuroidea 綱 (ナマコ綱) は棘皮動物門で五放射相称が体軸方向に伸びた円筒形を特徴とする。
名前の由来
属名 Holothuria はギリシャ語 holothóurion (古代ナマコ類の呼称、語源不明) に由来。種小名 edulis はラテン語で「食用」の意。和名は「ニセ」(クロナマコと類似するが別種の意) + 「クロナマコ」。
興味深い特徴
本種を含む Holothuriidae 科は危険を感じると体壁の Cuvier 管 (キュビエ管、cuvierian tubules) と呼ばれる粘着糸を肛門から放出して敵を絡め取る防御行動を示す (Hamel & Mercier, 2000)。再生能力が高く、内臓を放出 (内臓引き) しても 2〜3 週間で再生する。
明日使えるうんちく
本種を含む熱帯ナマコは中国・東南アジアで「海参 (ハイシェン・なまこ)」として乾燥珍味になり高値で取引される。Conand (2017) などの報告で熱帯ナマコ漁業の乱獲が指摘されている。
基本情報
Holothuria edulis
ホロチュリア エドゥリス
Edible sea cucumber
エディブルシーキューカンバー
20〜30 cm(体長)
堆積物食(砂中の有機物(deposit feeder))
サンゴ礁の砂底・礫地(水深0-40m)
インド洋・西太平洋
