大きさ
10〜15 cm(頭胸甲幅。脚展開長60-90cm級)
体重
0.4〜1.5 kg(雄が大型・雌は雄の1/2程度)
生息環境
深海砂泥底(水深50-500m・水温0-4℃)
分布
北太平洋・北極海・北大西洋の冷温帯〜寒帯(日本海北部・オホーツク海・北海道沿岸)
生態と外見
クモガニ科 (Oregoniidae) クモガニ属の中型カニで、頭胸甲幅 10〜15 cm 級・脚展開長 60〜90 cm 級・体重 0.4〜1.5 kg 級 (雄が大型、雌は雄の 1/2 程度の小型化)。体色は赤橙色〜淡褐色で、長く細い歩脚と頭胸甲表面の不規則な凹凸が特徴。北太平洋・北極海・北大西洋の冷温帯〜寒帯海域 (水深 50〜500 m、水温 0〜4℃) に広く分布し、日本では日本海北部・オホーツク海・北海道沿岸が主要漁場。底生肉食〜雑食で軟体動物・甲殻類・棘皮動物・魚類死骸を採食する。
他分類との違い
同属のオオズワイガニ Chionoecetes bairdi (北米西岸) と比べ体格がやや小型で、より広範な海域に分布する (本種は環北極性、bairdi は北米限定)。ベニズワイガニ Chionoecetes japonicus と異なり、頭胸甲・脚の色彩がより淡く、より浅い水深に生息する (ベニズワイは水深 800〜2,500 m の深海性)。タラバガニ Paralithodes camtschaticus (Lithodidae 科) と異なり、第 5 歩脚が小型化・退化しておらず完全な 10 脚を持つ (タラバガニは形態上 8 脚に見える)。
名前の由来
学名 Chionoecetes opilio の属名 Chionoecetes はギリシャ語 chion (雪) + oiketēs (住人) で「雪の住人」、寒冷海域への適応を反映する。種小名 opilio はラテン語「羊飼い」を意味する (古典の星座名から)。Fabricius により 1788 年に記載。和名「ズワイガニ」は古語「楚 (ずわい・しなやかな細枝)」から、細長い脚を喩えた命名。山陰では「松葉ガニ」、北陸では「越前ガニ (雄)」「セイコガニ (雌)」と呼ばれ、地域ブランドが定着している。
興味深い特徴
雄が雌より 2 倍以上大型化する顕著な性的二型を示す。雌の小型化は脱皮回数の少なさ (10〜11 回で成熟)、雄の大型化は終脱皮 (terminal molt) 後も継続成長することに由来する。最終脱皮後の雄は約 5〜6 年生存し、複数年にわたり繁殖参加する。寿命は野外個体で 13〜15 年と推定される。
明日使えるうんちく
日本海・オホーツク海の重要水産資源で、年間漁獲量は約 1.5〜2 万トン (日本全体)。山陰・北陸の冬の風物詩で、地域ブランド (松葉ガニ・越前ガニ・間人ガニ等) が確立されている。ロシア・カナダ・ノルウェー産も大量輸入され、世界の漁獲量は 10 万トン前後 (NOAA 統計)。茹で蟹・蟹刺し・甲羅焼き・蟹味噌が代表的料理で、日本料理の高級素材として地位を確立している。
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