概要
生態と外見
キヒトデ Asterias amurensis は北太平洋 (アムール川河口・北海道・サハリン・朝鮮半島東岸) 原産の大型ヒトデで、直径 25〜50 cm 級、腕は通常 5 本で黄褐色の体色。岩礁・砂泥底の水深 0〜200 m に生息し、貝類 (アサリ・ホタテ等) を主食とする肉食性。
他分類との違い
同じヒトデ綱でも Asteriidae 科は腕 5 本が標準で熱帯のオニヒトデ (Acanthaster planci) のような多腕種とは形態が異なる。Forcipulatida 目 (キヒトデ目) は管足の吸盤と把握用の小棘 (pedicellaria) が発達し、Valvatida 目 (オニヒトデ等) と区別される。
名前の由来
属名 Asterias はギリシャ語 astēr (星) からの古典的なヒトデ呼称。種小名 amurensis はアムール川 (Amur) ロシア極東地域に由来する「アムール産」の意。和名「キヒトデ」は体色の黄色 (黄) から、または食物として「貝食」を意味する古語からとされる。
興味深い特徴
本種は 1980 年代以降、船舶バラスト水を通じてオーストラリア (タスマニア) に侵入し、年間 10〜30 億個体規模の大繁殖でホタテ漁業に壊滅的被害を与えている (Byrne et al., 1997)。オーストラリア政府は本種を国家侵略的種 (National Priority Pest) に指定。
明日使えるうんちく
本種の幼生は約 120 日間プランクトン生活を送るため、バラスト水での長距離輸送に適応的。タスマニア政府は本種防除に年間数億円を投じており、繁殖期の集団駆除 (年間 50 万個体超) が継続している。寿命は約 5 年。
基本情報
Asterias amurensis
アステリアス アムレンシス
Northern Pacific seastar
ノーザンパシフィックシースター
25〜50 cm(体直径。腕5本)
5 年
肉食(貝類(アサリ・ホタテ等))
岩礁・砂泥底(水深0-200m)
北太平洋(アムール川河口・北海道・サハリン・朝鮮半島東岸。豪州タスマニアに侵入)
