概要
生態と外見
ミドリイシ Acropora millepora はインド洋・西太平洋 (グレートバリアリーフ・沖縄等) の浅瀬 (水深 1〜12 m) に生息する造礁サンゴで、短く密に分岐する枝が「テーブル状」または「塊状」に広がる。コロニーは 50 cm〜1 m 級で、青・緑・ピンク・黄など色のバリエーションが豊富。褐虫藻と共生し、年間 3〜10 cm 成長する。
他分類との違い
カリブ海固有の A. cervicornis/palmata と比較し、本種は太平洋・インド洋に広く分布する代表的な Acropora 種で、枝が短く色彩多型が顕著。同じインド太平洋のミドリイシ科でもキクメイシ目 (Scleractinia) の塊状サンゴ (Porites 属など) とは異なる枝状群体構造を持つ。
名前の由来
属名 Acropora は枝先端の軸ポリプ開口を示すギリシャ語由来。種小名 millepora はラテン語 mille (千) + porus (孔) で「千の孔」の意、コロニー表面に密集するポリプの開口を表す。和名はミドリイシ属の代表種という意味合いから。
興味深い特徴
本種はサンゴ研究のモデル生物として世界中で用いられ、褐虫藻との共生機構・白化耐性・蛍光タンパク質の進化研究で主要な題材となっている。同じミドリイシ属の近縁種 Acropora digitifera のゲノムが 2011 年に解読され (Shinzato et al., 2011)、比較ゲノム解析の基盤として広く参照される。
明日使えるうんちく
色彩多型の原因の一部は GFP 様蛍光タンパク質 (FP 群) の発現量で、紫外線防御や褐虫藻の光環境調節に関わると考えられる。グレートバリアリーフでは 1 つのリーフに同種で 5〜6 色のコロニーが混在する光景が見られる。
基本情報
Acropora millepora
アクロポラ ミレポラ
Acropora coral
アクロポラコーラル
0.5〜1 m(コロニーサイズ。年間成長3-10cm)
光合成・捕食(褐虫藻との共生+プランクトン捕食)
固着(造礁性)
浅海サンゴ礁(水深1-12m)
インド洋・西太平洋(グレートバリアリーフ・沖縄等)
