大きさ
1〜2 m(コロニーサイズ。年間成長5-15cm)
食性
光合成・捕食(褐虫藻との共生+触手でプランクトン捕食)
生態と外見
シカツノミドリイシ Acropora cervicornis は西大西洋・カリブ海の浅瀬 (水深 1〜25 m) に生息する造礁サンゴで、雄ジカの角に似た枝分かれが特徴。コロニーは 1〜2 m 級まで成長し、年間 5〜15 cm という造礁サンゴの中でも特に高い成長速度を示す。褐虫藻 (Symbiodiniaceae 科) と共生し、光合成産物がエネルギー源の大半を占める。プランクトンも触手で捕食する。
他分類との違い
同属の A. palmata はヘラ状に平たく広がる枝が特徴で、本種の細い円柱状の枝と対照的。Pocilloporaidae 科のミドリイシモドキ類 (Pocillopora 等) と比べ、ミドリイシ科は枝の先端に「軸ポリプ (axial corallite)」を持ち、放射状に「放射ポリプ」が並ぶ点で識別される。
名前の由来
属名 Acropora はギリシャ語 ákros (先端) + póros (穴・孔) に由来し、枝先端の軸ポリプの開口を示す。種小名 cervicornis はラテン語 cervus (シカ) + cornu (角) で「シカの角」の意。和名は枝が緑がかった色を呈することから。
興味深い特徴
毎年夏の満月数日後に「一斉産卵 (mass spawning)」を行い、卵塊と精子をピンク色の塊として水中に放出する。1980 年代以降、白化現象・白帯病 (white band disease)・ハリケーン被害でカリブ海個体群は大きく減少し、フロリダ沖などでマイクロフラグメント技法による移植再生が試みられている。
明日使えるうんちく
カリブ海のサンゴ礁形成の主役だった本種は、A. palmata と並んで「カリブ海の 2 大造礁種」と呼ばれていた。1995 年フロリダの個体群を境に大量死し、保全生物学では「リーフ崩壊の象徴」として頻繁に引用される。
この説明は役に立ちましたか?