概要
生態と外見
スズキ目ニザダイ科の中型の海水魚で、全長 20〜25 cm 級。濃い黒褐色の体に、尾の付け根を縁取る鮮やかな橙色の涙形の斑紋を持つのが最大の特徴。太平洋中部〜東部 (ハワイ等) の波の当たるサンゴ礁の浅瀬に生息し、岩に付着した藻類を主に食べる。
他分類との違い
同属 Acanthurus のニザダイ類の中で、本種は尾柄部の橙色の涙形斑が際立つ点で識別される。ニザダイ科に共通する尾の付け根の鋭い棘を持ち、本種ではこの棘の周囲が橙色に縁取られる。同じニザダイ科でも青い体色のナンヨウハギとは別属で、体色・体形ともに対照的。
名前の由来
学名 Acanthurus achilles の Acanthurus はギリシャ語 akantha (棘) + oura (尾) で「尾に棘を持つもの」を意味し、ニザダイ科共通の尾棘を表す。種小名 achilles はギリシャ神話の英雄アキレウスにちなみ、尾柄の橙色斑をアキレス腱の弱点になぞらえた命名とされる。和名・通称「アキレスタン」は学名と英名をそのまま音写したもの。
興味深い特徴
尾の付け根の橙色斑のすぐ前に格納式の鋭い棘を持ち、危険時に振り出して身を守る。波の当たる浅瀬を好み、強い流れの中でも岩に付着した藻をついばむ。近縁種との間で自然交雑する個体が知られ、観賞魚の世界では交雑個体も注目される。
明日使えるうんちく
鮮やかな橙色の斑と黒い体のコントラストから観賞魚として人気が高いが、波の荒い環境に適応した魚であるため飼育にはコツが要るとされる。和名・英名・学名がいずれも神話の英雄アキレウスにちなむ統一感を持つ珍しい魚。藻類食として、サンゴ礁の藻のバランスを保つ役割を担う。
基本情報
Acanthurus achilles
アカントゥルス・アキレス
Achilles tang
アキレスタン
20〜25 cm(全長)
草食(付着藻類)
昼行性
波の当たるサンゴ礁の浅瀬
太平洋中部・東部(ハワイ等)
