概要
生態と外見
ヒメシャコガイ Tridacna maxima はインド洋・西太平洋に広く分布する中型シャコガイで、殻長 20〜35 cm 級。同属の T. gigas (1.2 m 級) と比べ顕著に小型。岩礁の表面やサンゴ礁の隙間に固着し、水深 0〜20 m で生息する。外套膜は青・緑・茶・金の色彩多型を示し、褐虫藻と共生する。寿命は 30〜50 年とされる。
他分類との違い
オオシャコガイ Tridacna gigas との最大の違いは大きさ (本種 ~35 cm 級 vs オオシャコガイ 1.2 m 級)。本種は殻に明瞭な「肋 (りゅう)」状の隆起を持ち、岩盤に基部 (byssus) で固着する。Cardiidae 科の他属 (Hippopus、Cerastoderma) と比較すると、シャコガイ亜科は外套膜共生をする点で独自。
名前の由来
属名 Tridacna はギリシャ語 tridáknon (3 口でかむ) に由来。種小名 maxima はラテン語で「最大の」の意 (歴史的命名時の同属内比較に由来し、現在の T. gigas が知られる前の命名)。和名「ヒメ」は同属比較で小型の意。
興味深い特徴
本種は虹色細胞 (iridocyte) による色彩多型が特に顕著で、Holt et al. (2014) などで光学機構が研究されている。観賞用 (水族館・アクアリウム取引) として国際取引が盛んな種でもある。
明日使えるうんちく
ポリネシアの伝統的海洋民族は本種を主要なタンパク源として古くから利用しており、考古学遺跡から殻の堆積が大量に発見されている。一方で観光地化が進む地域では取り過ぎによる個体数減少が懸念されている。
基本情報
Tridacna maxima
トリダクナ マキシマ
Maxima clam
マキシマクラム
20〜35 cm(殻長)
30〜50 年
光合成・捕食(外套膜の褐虫藻共生+プランクトン捕食)
固着(基部(byssus)で岩盤に固着)
岩礁・サンゴ礁の隙間(水深0-20m)
インド洋・西太平洋
