概要
生態と外見
オオシャコガイ Tridacna gigas はインド洋・西太平洋 (グレートバリアリーフ・パラオ・沖縄等) の浅海 (水深 1〜20 m) に生息する世界最大の現生二枚貝で、殻長 1.2 m 級・体重 200〜250 kg 級の個体が記録される。寿命は 80〜100 年以上と推定される。外套膜に褐虫藻 (Symbiodiniaceae) を共生させ、光合成産物がエネルギー源の大半を占める。
他分類との違い
同属の T. maxima は最大でも殻長 35〜40 cm 級と小型で、本種とは大きさが顕著に異なる。同じ Cardiidae 科のザルガイ (Cerastoderma) 等は小型で外套膜共生をしない点で大きく異なる。Bivalvia 綱 (二枚貝綱) の他科 (ホタテ Pectinidae、ムール Mytilidae 等) と比較し、本科は外套膜が殻外に大きく露出して褐虫藻に光を供給する構造を持つ。
名前の由来
属名 Tridacna はギリシャ語 tridáknon (3 口でかむ)、Pliny が「3 口で食べる必要があるほど大きい貝」と記したことに由来する。種小名 gigas はラテン語で「巨人」の意。和名は最大の「シャコガイ (硨磲貝)」の意で「シャコ」は江戸期から使われる呼称、本種を口を開けたシャコ (蝦蛄) に例えたとされる。
興味深い特徴
外套膜に共生する褐虫藻が太陽光下で光合成し、本種の栄養の大半 (~80%) を供給する。残りはプランクトン捕食。殻の急速な閉鎖は人を挟むほどの力ではないが、ダイビング中に手足を挟まれた事例が報告される。
明日使えるうんちく
外套膜の色彩多型は鮮やかな青・緑・紫・黄等の網目模様を呈し、これは褐虫藻と外套膜内の色素細胞 (iridocyte) の相互作用に由来する。Holt et al. (2014) で iridocyte の波長選択的反射機構が解明された。沖縄やパラオでは本種の人工繁殖と海域への放流が行われ、保全活動の象徴的種となっている。
基本情報
Tridacna gigas
トリダクナ ギガス
Giant clam
ジャイアントクラム
1.2 m(殻長。世界最大の現生二枚貝)
200〜250 kg
80〜100 年(80年以上と推定)
光合成・捕食(外套膜の褐虫藻共生(~80%)+プランクトン捕食)
固着(造礁性海域に生息)
浅海サンゴ礁(水深1-20m)
インド洋・西太平洋(グレートバリアリーフ・パラオ・沖縄等)
