概要
生態と外見
単孔目ハリモグラ科の哺乳類で、頭胴長 30〜45 cm 級。背中を覆う鋭い棘 (とげ)、細く伸びた管状の口、強い前肢のかぎ爪が特徴。オーストラリアとニューギニアの森林・草原・乾燥地まで幅広い環境に生息し、アリやシロアリ、土壌中の無脊椎動物を食べる。
他分類との違い
カモノハシとともに卵を産む単孔類で、有袋類や有胎盤類とは繁殖様式が異なる。水生のカモノハシに対し、本種は陸上で穴を掘って暮らし、棘で身を守る。ハリネズミ (食虫類) やヤマアラシ (げっ歯類) とは棘を持つ点が似て見えるが、これらとは系統的にまったく異なり、卵生である点で大きく区別される。
名前の由来
学名 Tachyglossus aculeatus は、ギリシャ語で「速い舌」を意味する属名と、ラテン語で「棘のある」を意味する種小名からなり、素早く動く舌と背の棘にちなむ。和名「ハリモグラ」は、針 (棘) を持ち、地中を掘って暮らすモグラのような生態に由来する。
興味深い特徴
長い舌は粘液に覆われ、素早く出し入れしてアリやシロアリを絡め取る。歯を持たず、口の奥の硬い部分と舌で獲物をすりつぶす。危険を感じると体を丸めて棘を立てたり、その場で地面に潜り込んで棘だけを地表に残したりして身を守る。
明日使えるうんちく
繁殖期にはメスを複数のオスが縦に連なって追いかける「行列 (トレイン)」と呼ばれる行動が観察されることがある。メスは産んだ卵を腹部の浅いくぼみ (育児嚢) に入れて温め、孵化した子はそこで母親の皮膚からにじむ乳をなめて育つ。
基本情報
Tachyglossus aculeatus
タキグロッスス・アクレアトゥス
Short-beaked echidna
ショートビークドエキドナ
30〜45 cm(頭胴長)
2〜7 kg
16 年(野生)
食虫(アリやシロアリ)
森林・草原・乾燥地
オーストラリア・ニューギニア
