概要
生態と外見
テンジクザメ目トラフザメ科の中型のサメで、全長 2〜2.5 m 級。成魚は黄褐色の地に黒い斑点が散らばり、体に沿って隆起 (キール) が走り、尾びれが体長の半分近くを占めるほど長いのが特徴。幼魚は黒地に黄色の横縞模様 (シマウマ柄) を持ち、成長とともに斑点模様に変わる。インド洋〜西太平洋のサンゴ礁や砂底に生息し、夜行性で貝・甲殻類・小魚を食べる。
他分類との違い
同じテンジクザメ目のジンベエザメと近縁の系統に属するが、本種ははるかに小型で底生性。長く伸びた尾びれと、成魚の斑点・幼魚の横縞という成長に伴う模様の変化が、他のサメと区別する大きな特徴。サンゴ礁に同所的にすむネムリブカ (メジロザメ科) と異なり、本種は口が小さく底生の獲物を吸い込んで食べる。
名前の由来
学名 Stegostoma fasciatum の Stegostoma はギリシャ語 stego (覆う) + stoma (口) に由来するとされ、fasciatum はラテン語「帯のある・縞のある」で、幼魚の横縞模様を表す。和名「トラフザメ (虎斑鮫)」は成魚の斑点模様を虎の斑に見立てた呼称。英名 Zebra shark は幼魚のシマウマ状の縞に由来する。
興味深い特徴
成長に伴って模様が大きく変わるため、幼魚と成魚がかつて別種と誤認されたほど見た目が異なる。柔軟な体で岩やサンゴの隙間に潜り込み、底生の貝や甲殻類を吸い込むようにして食べる。雌が雄なしで単独で繁殖する単為生殖 (parthenogenesis、雌だけで子をつくる現象) が飼育下で報告されている。
明日使えるうんちく
性質がおとなしく動きも穏やかなため、ダイバーに人気のサメとして知られる。長い尾を使ってゆったりと砂底を這うように泳ぐ。各地で繁殖や再導入による個体群回復の取り組みが進められている。
基本情報
Stegostoma fasciatum
ステゴストマ・ファスキアトゥム
Zebra shark
ゼブラシャーク
200〜250 cm(全長)
25〜30 年
肉食(貝・甲殻類・小魚)
夜行性(夜に活発)
サンゴ礁周辺の砂底
インド洋・西太平洋
