大きさ
25〜35 cm(全長(外套長15-20cm))
分布
日本本州中部以南・東シナ海・南シナ海・朝鮮半島南岸
生態と外見
コウイカ目コウイカ科 Acanthosepion 属 (旧 Sepia 属) の中型十腕類で、外套長 15〜20 cm・全長 25〜35 cm、体重 0.5〜1.5 kg 級。体色は淡黄褐色〜薄赤褐色で、皮膚に細かな縞模様と斑点が見られる。日本本州中部以南・東シナ海・南シナ海・朝鮮半島南岸の沿岸 (水深 10〜100 m) に分布。エビ・カニ・小魚を採食。
他分類との違い
同科のヨーロッパコウイカ Sepia officinalis (北東大西洋) と比べ、本種は東アジア沿岸に分布し、cuttlebone の腹面に明瞭な縦溝を持つ。同じく日本沿岸のコウイカ類シリヤケイカ Sepiella japonica と比べ、本種は cuttlebone が大きく硬く、シリヤケイカは外套後端から赤褐色の体液 (墨でなく) を出す点で異なる。
名前の由来
学名 Acanthosepion esculentum の Acanthosepion はギリシャ語 ákantha (棘) + sēpíā (イカ) で、cuttlebone の縁の棘状突起を指す。種小名 esculentum はラテン語「食用となる (esca = 餌)」(Hoyle 1885 記載)。和名「コウイカ (甲烏賊)」は石灰質の甲 (cuttlebone) を持つイカの意で、江戸期からの呼称。
興味深い特徴
産卵期 (春〜初夏) に浅瀬の海藻に「コウイカ卵」と呼ばれる薄黄色の楕円形卵塊を 1 個ずつ付着させ、孵化まで 1〜2 か月を要する。雌は卵に唾液腺由来の物質を付着させ、孵化前に発色する青色の眼点が透けて見える (現地では「目玉烏賊」の俗称あり)。日本では刺身・寿司ネタとして極めて重要な水産対象種。
明日使えるうんちく
「コウイカの墨」は古代から染料・絵画のインクとして利用され、書道用「墨汁」の原料の一部としても歴史記録がある (現代は植物性煤煙が主体)。日本では地域により「スミイカ」「ハリイカ (cuttlebone の棘から)」とも呼ばれ、瀬戸内海産は特に高値で取引される。学名上は近年 Acanthosepion 属に再分類された (Sanchez et al. 2018) が、市場では Sepia esculenta の旧学名が併用される。
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