概要
生態と外見
ネコ科ピューマ属の大型ネコで、体長 1.0〜1.8 m・尾長 60〜95 cm・体重 35〜100 kg 級 (雄が大型)。全身単色 (種小名 concolor の由来) で淡黄褐色〜銀灰色、顔と腹部はより淡い、尾の先端と耳の裏が黒色。アメリカ大陸 (カナダ南部〜パタゴニア南端) の幅広い環境 (山地森林・砂漠・湿地) に分布する。シカ類を主な獲物とする単独性捕食者。IUCN レッドリストでは Least Concern (LC) 評価。
他分類との違い
ネコ科の大型種 (ヒョウ属 Panthera のライオン・トラ・ヒョウ・ジャガー) と比べ、ピューマ属は中型ネコ亜科 (Felinae) に属する点で系統的に異なる。形態的には体格こそ大型だが、咆哮 (roar) ができず咽喉構造はイエネコと同じ (純粋な「鳴く」cat に近い)。チーター Acinonyx jubatus と同じ系統群 (約 670 万年前分岐) と分子系統解析で示されており、両者は近縁な姉妹群。
名前の由来
学名 Puma concolor の Puma は南米ケチュア語起源、種小名 concolor はラテン語「単一色」で体色を指す。英名は地域により異なり、北米では Cougar / Mountain lion / Puma が併用される。和名「ピューマ」は学名直接由来。英名 Mountain lion の由来は北米開拓期の俗称で、ライオンの近縁ではない。
興味深い特徴
単独で 5〜10 m の跳躍力を持ち、北米シカ類を主な獲物として狩猟する。咆哮ができない代わりに高音の「screams」と呼ばれる悲鳴様の発声をする。北米ではフロリダパンサー P. c. coryi と呼ばれる絶滅危惧亜種 (推定 100〜200 個体) があり、近親交配による遺伝的劣化が深刻化したため 1995 年にテキサスから 8 個体が導入され遺伝的多様性回復に成功した事例として保全遺伝学で頻繁に引用される。
明日使えるうんちく
新大陸の哺乳類で最も広い南北分布 (カナダ・ユーコン〜チリ南端パタゴニア) を持ち、海岸〜標高 5,800 m 級まで適応する。北米東部では 20 世紀初頭に絶滅したと考えられていたが、近年中西部・東部での目撃情報が増加し分布回復の兆しがある。Cougar・Mountain lion・Puma・Catamount・Panther など英語俗称が 40 以上に及ぶことが知られ、同一種への呼称数の多さで広く言及される。
基本情報
Puma concolor
プーマ・コンコロル
Cougar
クーガー
