生態と外見
キジ目キジ科の大型の鳥で、雄は飾り羽を含めた全長が 2.0〜2.3 m に達し、体重 4〜6 kg 級。雄は青い首と胸、緑金色に輝く長い上尾筒 (いわゆる「クジャクの羽」) を持ち、雌は地味な褐色で飾り羽を持たない顕著な性的二型を示す。インド亜大陸の森林・農地に分布し、種子・果実・昆虫・小動物を採食する雑食性。
他分類との違い
同属 Pavo のマクジャク P. muticus (東南アジア) と比べ、本種は首が青く、雌雄差がより明瞭。アフリカのコンゴクジャク Afropavo congensis とは別属で、本種ほど派手な飾り羽を持たない。同じキジ科のキジやヤマドリと比べ、雄の上尾筒の発達が突出している点が際立つ。
名前の由来
学名 Pavo cristatus の Pavo はラテン語「クジャク」、cristatus はラテン語「冠のある」で、頭頂の扇状の冠羽に由来する。和名「クジャク (孔雀)」は中国名「孔雀」の音に由来し、「インド」はその主分布域を表す。
興味深い特徴
雄が広げる「羽」は尾そのものではなく、尾の上を覆う上尾筒が極端に発達したもので、目玉模様 (眼状斑) を持つ。求愛時に扇状に広げて細かく震わせ、雌はその大きさや眼状斑の質を選り好みするとされ、性選択 (sexual selection) の古典的な研究対象になっている。
明日使えるうんちく
ダーウィンは派手なクジャクの羽が生存に不利に見えることに頭を悩ませ、それが性選択という考えを深める契機の一つになったと伝えられる。インドの国鳥であり、神話・装飾・宗教と深く結びついた文化的象徴でもある。震わせる飾り羽は人の耳に聞こえにくい低周波の音も発していることが研究で示されている。