生態と外見
単孔目カモノハシ科の哺乳類で、頭胴長 30〜45 cm 級、これに扁平な尾が加わる。カモのような平たいくちばし、水かきのある四肢、ビーバーのような尾という独特の姿が特徴。オーストラリア東部とタスマニアの河川や池に生息し、水中で底生のエビ・水生昆虫の幼虫などを食べる。
他分類との違い
哺乳類でありながらハリモグラとともに卵を産む単孔類で、有袋類や有胎盤類とは繁殖様式が根本的に異なる。乳首を持たず、腹部の皮膚からにじみ出す乳で子を育てる点も他の哺乳類と異なる。ハリモグラが陸上でアリ・シロアリを食べるのに対し、本種は水生で、平たいくちばしを使った水中採食に特化している。
名前の由来
学名 Ornithorhynchus anatinus は、ギリシャ語の「鳥のくちばし」と、ラテン語で「カモのような」を意味する種小名からなり、いずれもくちばしの形にちなむ。和名「カモノハシ」も、カモのくちばし (嘴) に似た口に由来する。
興味深い特徴
くちばしには電気受容器が多数あり、獲物の筋肉が出すごく弱い電気信号を感じ取って、目や耳を閉じたまま濁った水中で餌を探し当てる。オスは後肢に毒を出す蹴爪 (けづめ) を持ち、繁殖期に同種のオスとの争いなどで使うと考えられている。
明日使えるうんちく
発見当初、ヨーロッパの学者はくちばしと毛皮の組み合わせを別々の動物を縫い合わせた偽物だと疑ったという逸話で知られる。卵生でありながら乳で子を育てるという特徴は、哺乳類の進化を考えるうえで重要な手がかりとされている。