概要
生態と外見
トビエイ目イトマキエイ科の大型のエイで、体盤幅 (左右のひれの幅) が 5 m 前後、大型個体では 9 m に達する記録もある世界最大のエイ。背面は黒〜濃灰色で肩に白い斑、腹面は白く個体ごとに異なる黒斑を持ち、これが個体識別に使われる。世界中の熱帯〜温帯の外洋に分布し、頭部の左右にある一対の頭鰭 (とうき) で海水を口へ導き、プランクトンを濾過して食べる。
他分類との違い
同じイトマキエイ科のオニイトマキエイ類の中で、近縁のナンヨウマンタ類はかつて 1 種とされたが、現在は外洋性の本種と沿岸性のオニイトマキエイ Mobula alfredi に分けられている。海底で暮らすアカエイ類などと異なり、本種は外洋を遊泳し、尾に毒針を持たない点でも区別される。
名前の由来
学名 Mobula birostris の Mobula は西地中海でエイ類を指す方言に由来するとされ、birostris はラテン語「二つの吻 (くちばし) のある」を意味し、頭部の一対の頭鰭を表す。和名「ナンヨウマンタ」は暖かい海 (南洋) に分布することと、現地名に由来する「マンタ」(スペイン語で外套・マントの意) を組み合わせた呼称。
興味深い特徴
軟骨魚類の中でも体に対する脳の比が大きく、高い認知能力を持つことが示唆されている。鏡に映った自分に関心を示す行動が報告され、自己認識の研究対象としても注目された。プランクトン食でありながら大型に進化した点で、ジンベエザメと並ぶ大型濾過摂食者として知られる。
明日使えるうんちく
頭鰭は普段は筒状に巻いておき、摂食時に広げて海水を口へ導く。水面上に高く跳び上がるブリーチングと呼ばれる行動が観察されるが、その意味には複数の説がある。
基本情報
Mobula birostris
モブラ・ビロストリス
Giant oceanic manta ray
ジャイアントオーシャニックマンタレイ
500〜700 cm(横幅(体盤幅))
プランクトン食(プランクトン・小魚をろ過)
昼行性(回遊)
外洋・沿岸(回遊性)
世界中の暖かい海(世界中)
