学名
Mesonychoteuthis hamiltoni
大きさ
1000〜1400 cm(触腕を含めた全長(外套長2-2.5m))
体重
350〜500 kg(無脊椎動物中で最重量級)
生息環境
中深層〜漸深層(水深1000-2200m)
生態と外見
ツツイカ目クランチイカ科ダイオウホウズキイカ属の超大型十腕類で、外套長は推定 2〜2.5 m、触腕を含めた全長 10〜14 m 級、体重 350〜500 kg と無脊椎動物中で最重量級。体色は薄赤色〜白色で、ホウズキイカ科共通の楕円形でずんぐりした外套を持つ。南極海周極水域 (緯度 40°S 以南) の中深層〜漸深層 (水深 1000〜2200 m) に分布。魚類 (主にメロ Dissostichus) や他のイカを捕食。
他分類との違い
同じく超大型のダイオウイカ Architeuthis dux と比べ、外套長は同程度かやや長く、体重は大きく上回り、より太く頑強な体型を持つ。触腕に回転式の鉤 (rotating hook) を備える点で本種は特異で、ダイオウイカの吸盤のみとは異なる頑強な捕食武装。同じクランチイカ科の他属は中小型が中心で、本属だけが超大型化した系統。
名前の由来
学名 Mesonychoteuthis hamiltoni の Mesonychoteuthis はギリシャ語 mésos (中) + ónyx (鉤) + teuthís (イカ) で「鉤を中央に持つイカ」を意味し、触腕中央に並ぶ鉤を指す。種小名 hamiltoni は南極探検家 H. Hamilton への献名 (G.C. Robson 1925 記載)。和名「ダイオウホウズキイカ」はホウズキイカ科に属する超大型種の意。
興味深い特徴
眼は直径 27〜30 cm でダイオウイカと並んで現生動物最大級。回転式の鉤は触腕先端の捕食器に並び、獲物に食い込んだ後に回転して固定する独特の機構 (Rosa et al. 2017)。発見は 1925 年だが、完全に近い個体の捕獲は 2007 年 (ニュージーランド漁船によるロス海産) が初で、これは現在ニュージーランド国立博物館 (Te Papa) に展示されている。
明日使えるうんちく
マッコウクジラの胃内容物から本種の嘴 (くちばし) が頻出することから、南極海におけるマッコウクジラの主要餌生物の一つと判明している。嘴の摩耗度から推定年齢は 2〜4 年と短く、若いうちに巨大化する短命大型種の生活史 (一回繁殖の半殖性) と考えられる。生体が捕獲される機会は極めて稀で、研究の多くはマッコウクジラ胃内容物や偶発的な漁獲個体に依存している。
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