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ナマケグマ(ナマケグマ)

Melursus ursinus

概要

生態と外見

クマ科ナマケグマ属 (単型属) の中型クマで、体長 1.4〜1.9 m・体重 55〜140 kg 級。全身黒色のシャギーな長毛 (特に首・肩で顕著)、胸に白色の V 字または Y 字斑紋、極端に長い舌と発達した唇、長く湾曲した爪を持つ。インド・スリランカ・ネパール・ブータン・バングラデシュの低地森林・草原に分布。白蟻・蟻・昆虫幼虫が主食 (専食的食蟻適応)、果実 (ヤシ・パンノキ) も採食。IUCN レッドリストでは Vulnerable (VU) 評価。

他分類との違い

クマ科の他属と比べ、本属 Melursus は単型属で、白蟻専食適応 (吸引採食 myrmecophagy) と前歯欠如 (上顎切歯欠落) が独自形質。前歯がない口は管状に形成され、長い舌と唇で白蟻を吸引する仕組みは食肉目で他に例がない。マレーグマ Helarctos malayanus とは体格 (ナマケグマがより大型) と斑紋 (V 字 vs U 字) で識別される。

名前の由来

学名 Melursus ursinusMelursus はラテン語「蜂蜜のクマ」(mel + ursus)、ursinus は「クマ様の」を意味する。命名当初 (1791 年) は爪の長さからナマケモノ (Sloth) と誤認分類され、命名者ジョージ・ショーは Bradypus 属に置いたが、後に解剖学的検討でクマ科と確定した。英名 Sloth bear と和名「ナマケグマ」はこの誤認の名残。

興味深い特徴

白蟻塚に対する吸引採食機構は食肉目で最も特殊化した例の一つで、白蟻塚に鼻を当て息を強く吐いて土を吹き飛ばし、その後吸引で白蟻を口内に取り込む。この吸引音は数十 m 先まで響き、観察者にとって本種発見の手がかりとなる。クマ科で唯一、母クマが子を背中に乗せて移動する習性が広く観察される。

明日使えるうんちく

インドでは「踊るクマ (dancing bear)」として街頭芸の対象とされ、若い個体の鼻に紐を通して芸を仕込む虐待的慣行が 20 世紀末まで横行した。インド政府と NGO の連携により 2009 年に全廃宣言され、保護センターでの収容と元飼育者の生業転換支援が進められた。

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基本情報

学名

Melursus ursinus

学名(カナ)

メルルスス・ウルシヌス

英名

Sloth bear

英名(カナ)

スロースベア

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