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カニクイアザラシ(カニクイアザラシ)

Lobodon carcinophaga
動物界脊索動物門哺乳綱食肉目PhocidaeLobodonカニクイアザラシ

基本情報

学名

Lobodon carcinophaga

学名(カナ)

ロボドン・カルキノファガ

英名

Crabeater seal

英名(カナ)

クラブイーターシール

生態と外見

アザラシ科カニクイアザラシ属の中型鰭脚類で、体長 2.0〜2.4 m・体重 200〜300 kg 級。体色は淡灰色〜淡褐色で、年齢とともに退色して老成個体は白っぽくなる。頭部は細長く、頬歯の咬合面に複雑な切れ込み (フィルター歯) を持つ。南極大陸周辺の流氷帯に分布し、海氷の縁に沿って群れで生活する。本種は地球上の鰭脚類で最も個体数が多く、推定 700 万〜1,400 万頭とされ、すべての野生大型哺乳類の中でも上位の総バイオマス (Erickson & Hanson 1990, Polar Biol 10:579-583)。IUCN レッドリストでは Least Concern (LC) 評価。

他分類との違い

同所的に分布するヒョウアザラシ Hydrurga leptonyx と比べ、頭部はより短くフィルター歯による濾過摂食に特化している点で識別される。和名にカニとあるがカニ類はほとんど食べず、主食はナンキョクオキアミ Euphausia superba。同科のロスアザラシ Ommatophoca rossii と異なり群居性が強く、繁殖期以外にも数頭の小群で流氷上に休息する。

名前の由来

学名 Lobodon carcinophagaLobodon はギリシャ語 lobos (耳たぶ・葉) + odōn (歯) で「葉状の歯」、種小名 carcinophagakarkinos (カニ) + phagein (食べる) で「カニを食べる」を意味する。和名「カニクイ」は学名の直訳だが実際の食性とは異なる歴史的命名。英名 Crabeater seal も同じ事情。

興味深い特徴

頬歯の切れ込みは前歯から後歯にかけて複雑に組み合わさり、上下の歯を閉じると小型甲殻類を濾過できるフィルター構造を形成する。鰭脚類で最も特化したオキアミ食適応の例として、ヒゲクジラの口蓋ヒゲと収斂的な濾過摂食機構として研究対象になる。

明日使えるうんちく

ヒョウアザラシによる捕食の痕跡として、子個体の体側に長い咬傷痕を残すことが多く、Siniff & Bengtson (1977) の調査では成獣の約 75% に咬傷痕が観察された。流氷の上で他のアザラシ類より昼夜逆転して活動する個体が多く、ナンキョクオキアミの日周鉛直移動 (夜間表層上昇) に同期した採食活動を行う。

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