概要
生態と外見
ラクダ科ラマ属の中型偶蹄類で、体長 1.7〜2.2 m・体高 1.0〜1.3 m・体重 130〜200 kg 級。体毛は中等程度の長さで多様な色彩 (白・黒・褐色・斑) を呈し、頸部が長く頭部は小さく耳が立ち上がる。南米アンデス山脈高地 (ペルー・ボリビア・チリ・アルゼンチン北部) で約 4,000〜5,000 年前に野生グアナコ Lama guanicoe から家畜化された (Wheeler 1995, Biol J Linn Soc 54:271-295)。荷役・毛・食用・宗教儀礼用として飼養される。IUCN レッドリストでは家畜化された種として評価対象外。
他分類との違い
同属のグアナコ Lama guanicoe と比べ、体格がやや大きく被毛色彩が多様な点で識別される (グアナコは野生型で淡褐色一色)。近縁のアルパカ Vicugna pacos・ビクーニャ Vicugna vicugna と比べ、属レベルで分離されており、ラマは荷役向け、アルパカは細い毛 (繊維) 向けに選抜された家畜化系統。アルパカは野生ビクーニャから家畜化された別系統。
名前の由来
学名 Lama glama の Lama はケチュア語 llama (ラクダ科動物) のラテン化、種小名 glama も同源。和名「ラマ」はスペイン語経由のラテンアメリカ語彙からの借用。英名 Llama も同じケチュア語由来。
興味深い特徴
アンデス山脈 4,000 m 級高地での荷役運搬に古代インカ文明以来用いられ、一頭あたり 30〜45 kg の荷物を運搬可能。スペイン征服 (1532 年) 以前のアンデス文明では唯一の大型家畜で、貨物運搬・繊維生産・肉・乳・骨と多目的に活用された。高地適応として血中ヘモグロビンが高酸素親和性を持ち、低酸素環境での運動能力が他の家畜哺乳類より優れる。
明日使えるうんちく
威嚇行動として唾を吐く行動が知られ、同種間の争いや人に対する不快表示で胃内容物を含む唾を 3〜5 m 飛ばすことがある。20 世紀後半以降、欧米・日本でペット・牧場の番犬代用 (羊や山羊への捕食者警戒) として飼養される事例が増えている。
基本情報
Lama glama
ラマ・グラマ
Llama
ラマ
