基本情報
Hydrurga leptonyx
ヒドゥルガ・レプトニュクス
Leopard seal
レパードシール
生態と外見
アザラシ科ヒョウアザラシ属の大型鰭脚類で、体長 2.4〜3.4 m・体重 200〜600 kg 級 (雌が雄より大型)。体色は背側が暗灰色〜銀灰色、腹側は淡灰色〜白色で、全身に黒色の斑紋が散在することからヒョウの体色を連想させる。頭部は爬虫類的に細長く、強大な顎と長い犬歯を持ち、頸部は太く前肢が長い体型。南極大陸周辺〜亜南極の流氷帯に分布し、若い個体は時に南米南端・南アフリカ・オーストラリア南岸まで漂流分布する。IUCN レッドリストでは Least Concern (LC) 評価。
他分類との違い
同所的に分布する同科のカニクイアザラシ Lobodon carcinophaga・ウェッデルアザラシ Leptonychotes weddellii と比べ、頭部が爬虫類的に細長く強大な犬歯を持ち、温血脊椎動物 (ペンギン・他アザラシ類) を捕食する大型捕食者である点で識別される。アザラシ科で唯一同類 (アザラシ科他種) を恒常的に捕食する種として知られる。
名前の由来
学名 Hydrurga leptonyx の Hydrurga はギリシャ語 hydōr (水) + ergatēs (働き手) で「水中で働く者」、種小名 leptonyx は leptos (細い) + onyx (爪) で「細い爪を持つ」。和名「ヒョウアザラシ」は体側の斑紋がヒョウを連想させることから、英名 Leopard seal も同じ由来。
興味深い特徴
ペンギン (アデリーペンギン・ジェンツーペンギン・コウテイペンギン) を主要な大型獲物とし、コロニー周辺で待ち伏せして捕食する行動が観察される。獲物を捕らえた後、水面で激しく振り回して引き裂く独特の処理行動を示す。オキアミも口腔のフィルター歯 (頬歯の切れ込み) で濾過摂食でき、季節や個体によって食性が大きく変動する。
明日使えるうんちく
人に対する攻撃事例は稀だが致命的な記録があり、2003 年に南極の英国基地で潜水中の生物学者 Kirsty Brown が水中に引き込まれて死亡した事例 (British Antarctic Survey 2003) が学術調査での重大事例として記録されている。
