概要
生態と外見
サブサハラ・アフリカの淡水湖沼・河川に分布する大型偶蹄目で、体長 3.0〜4.0 m・体重 雄 1,500〜3,200 kg 級・雌 1,000〜2,000 kg 級。半水生で日中は水中で過ごし、夜間に陸上で草を採食する。皮膚は無毛に近く厚く、皮膚分泌物 (hipposudoric acid と呼ばれる赤色色素) が日焼け・抗菌作用を持つ。IUCN レッドリストでは Vulnerable (VU) 評価。
他分類との違い
カバ科 (Hippopotamidae) の現存種は本種とコビトカバ (Choeropsis liberiensis) の 2 種のみ。系統的にはクジラ類と最も近い偶蹄目で、約 5,500 万年前に共通祖先から分岐したとされる「Cetartiodactyla」概念の中核例。
名前の由来
学名 Hippopotamus amphibius はギリシャ語で「川の馬」(hippos potamos) + 「両生の」(amphibios) の意。形態は馬に似ないが、ローマ期博物誌に既に「川の馬」の呼称が見え、ナイル川流域での観察から名付けられた。和名「カバ」は中国語 hé mǎ (河馬) からの音写。
興味深い特徴
水中で目・鼻・耳が頭頂部に集まる構造を持ち、頭部だけを水面に出して周囲を監視できる。鳴き声は陸上と水中の両方で発信可能で、水中音響コミュニケーションを行う陸生哺乳類として知られる。皮膚分泌物は紫外線をフィルターし、自前の日焼け止めとして機能する。
明日使えるうんちく
アフリカの大型動物による人身事故統計でカバはしばしば最上位に位置するとされ、ワニやライオン以上の事故件数が報告される地域もある。出生時の仔は約 25〜50 kg で、水中で泳ぐ前に呼吸を覚える必要があるため、母親が水面に押し上げて呼吸補助を行う。
基本情報
Hippopotamus amphibius
ヒッポポタムス・アンフィビウス
Hippopotamus
