概要
生態と外見
ヒクイドリ目エミュー科の大型の飛べない鳥で、体高 1.5〜1.9 m・体重 30〜55 kg 級とダチョウに次ぐ現生第 2 位の大きさ。全身は灰褐色の毛のような羽毛に覆われ、長い首と 3 本指の脚を持つ。オーストラリア本土の固有種で、森林から半乾燥地まで広く分布し、植物の果実・種子・昆虫を採食しながら長距離を移動する。
他分類との違い
同じ古顎類 (Palaeognathae) のダチョウ Struthio camelus と比べ、ダチョウが 2 本指でアフリカに分布するのに対し、本種は 3 本指でオーストラリアに分布する。近縁のヒクイドリ Casuarius とは同目だが、ヒクイドリが頭部に角質の冠 (カスク) を持ち熱帯雨林に住むのに対し、本種は冠を持たず開けた環境を好む。南米のレア Rhea とは別科だが、いずれも飛翔能力を失った走鳥類である点が共通する。
名前の由来
学名 Dromaius novaehollandiae の Dromaius はギリシャ語 dromaios (走るもの) に由来し、novaehollandiae は「ニューホランド (オーストラリアの古名) の」を意味する。和名・通称「エミュー」は英名 Emu の音写で、その語源はアラビア語やポルトガル語で大型鳥を指す語に由来するなど諸説がある。
興味深い特徴
抱卵と育雛をもっぱら雄が担い、雄は約 8 週間の抱卵期間中ほとんど飲食せずに卵を温める。卵は濃い青緑色をしており、走鳥類の中でも特徴的。長い脚で時速 40〜50 km 級で走ることができ、開けた環境での移動能力が高い。
明日使えるうんちく
1932 年にオーストラリアで作物を荒らすエミューの大群を軍が機関銃で駆除しようとしたが失敗に終わった「エミュー戦争」は、人間が野生鳥に「敗北」した珍事として語り継がれている。エミューの脂 (エミューオイル) は先住民が古くから利用し、現在も化粧品等に用いられる。
基本情報
Dromaius novaehollandiae
ドロマイウス・ノヴァエホランディアエ
Emu
エミュー
150〜190 cm(体高)
30〜55 kg
10〜20 年
雑食(果実・種子・昆虫)
昼行性
森林から半乾燥地
オーストラリア本土(固有種)
