概要
生態と外見
無尾目スズガエル科の小型カエルで、体長 4〜5 cm 級。背面は灰褐色〜暗緑色のいぼ状皮膚で地味だが、腹面は鮮やかな赤橙と黒のまだら模様を持つ。中央〜東ヨーロッパの低地の池沼・湿地に生息し、昼夜とも水辺で活動して昆虫・小型無脊椎動物を捕食する。
他分類との違い
近縁のキバラスズガエル Bombina variegata と分布が一部重なり、接触帯では交雑が起こることが知られ、進化生物学の「雑種帯」研究の重要対象になっている。本種は低地の止水を、キバラ種は山地の一時的な水たまりを好む傾向で生息環境にすみ分けが見られる。アマガエル科と異なり吸盤を持たず、樹上には登らない。
名前の由来
学名 Bombina bombina は属名と種小名が同じ「同名 (tautonym)」で、bombina はラテン語の擬音語的な語に由来し、本種の低く響く鳴き声を表すとされる。和名「スズガエル (鈴蛙)」は澄んだ鈴のような鳴き声から、英名 Fire-bellied toad は炎のような腹面の色に由来する。
興味深い特徴
外敵に襲われると背を反らせて四肢を持ち上げ、鮮やかな腹面の警告色を見せる「ウンケンリフレックス (Unkenreflex)」と呼ばれる防御姿勢をとる。皮膚からは忌避物質を分泌し、捕食者に対して「自分は不味い」と知らせる。腹面の派手な色はこの警告色として機能する。
明日使えるうんちく
ドイツ語の俗称 Unke (スズガエル類) からこの防御反射の名がついた。雄は繁殖期に水面で「ウォ…ウォ…」と低く反復的に鳴き、その柔らかな声が群れになると独特の合唱になる。雑種帯研究を通じて、種分化や生殖隔離のメカニズムを理解する上で長年注目されてきた。
基本情報
Bombina bombina
ボンビナ・ボンビナ
European fire-bellied toad
ヨーロピアンファイアベリードトード
4〜5 cm(体長)
飼育下(肉食)
昆虫・小型無脊椎動物(昼夜)
水辺で活動(低地の池沼・湿地)
