学名
Aptenodytes patagonicus
分布
亜南極(サウスジョージア・クローゼー・マッコーリー島等)
生態と外見
ペンギン目ペンギン科でコウテイペンギンに次ぐ第 2 位の大きさを持つペンギンで、体長 85〜95 cm・体重 10〜15 kg 級。背面は青灰黒色、腹面は白色で、頬から頸にかけて鮮やかな橙色の斑、嘴の下側にも橙色の色斑を持つ。亜南極の島々 (サウスジョージア・クローゼー・マッコーリー島等) の岩場・草地で大規模なコロニーを作る。主な餌は中深層の小魚 (ハダカイワシ類) やイカ。
他分類との違い
同属 Aptenodytes のコウテイペンギン A. forsteri と最も近縁で外見も似るが、オウサマは耳斑が鮮明な濃橙色で帯状に伸びる点、コウテイは耳斑がより淡くぼやける点で識別される。コウテイが南極大陸の海氷上で冬に繁殖するのに対し、本種は亜南極の島嶼の地面で繁殖する点が生息環境の大きな違い。
名前の由来
学名 Aptenodytes patagonicus の属名 Aptenodytes はギリシャ語 aptēn (飛べない) + dutēs (潜水者) の合成で、ペンギンの本質を表す。種小名 patagonicus は南米のパタゴニア地方に由来する。和名「オウサマ (王様)」は大型種であることを示す英名 King の翻訳で、最大種コウテイ (Emperor) との対比で「王」が当てられた。
興味深い特徴
産卵から巣立ちまでの繁殖サイクルに 14〜16 か月という鳥類でも例外的に長い期間を要し、雛は冬の間ほとんど餌をもらえずに数か月の絶食に耐える独特の繁殖サイクルを持つ。このため繁殖は厳密な年周期にならず、コロニーには成長段階の異なる雛が混在する。茶色の綿羽に覆われた雛はかつて別種と誤認され「ウーリーペンギン」と呼ばれた逸話がある。
明日使えるうんちく
巣を作らず、卵と雛を足の甲に乗せて腹部の皮膚のひだ (ブルードパッチ) で温める。コロニーは数十万羽規模に達することがあり、密集した個体群は捕食や寒さに対する集団的な利点を持つ。鮮やかな橙色の斑は紫外線を反射し、求愛の指標として働くと考えられている。
この説明は役に立ちましたか?