生態と外見
無尾目アマガエル科の中型の樹上性カエルで、体長 5〜7 cm 級 (雌が雄より大きい)。鮮やかな緑色の体に、体側の青と黄の縞、橙色の四肢、そして名の由来である真っ赤な目を持つ。中米 (メキシコ南部〜パナマ、コロンビア北部) の低地熱帯雨林に生息し、夜行性で昆虫を捕食する。日中は葉の裏に張り付き、緑色だけを見せて休む。
他分類との違い
同じアマガエル科でも本種は派手な体側色を持つ点が際立つ。ヤドクガエル科の警告色 (毒を伴う) とは異なり、本種の鮮やかな色は無毒で、休息時には隠し、危険時に突然見せて捕食者を驚かせる「驚愕色 (startle coloration)」として働くと考えられている。地上性のツノガエル科 (Ceratophrys) と異なり、吸盤の発達した指で樹上生活に適応する。
名前の由来
学名 Agalychnis callidryas の callidryas はギリシャ語 kallos (美しい) + dryas (木の精・ニンフ) に由来し、「美しい森の精」を意味する。和名「アカメアマガエル」は赤い目とアマガエル科であることをそのまま表す。英名 Red-eyed tree frog も同様に赤い目に由来する。
興味深い特徴
胚は捕食者 (ヘビ・スズメバチ) の振動を感知すると、通常より早く一斉に孵化して水中へ落下する「孵化のタイミング可塑性 (hatching plasticity)」を持ち、卵段階で外敵を回避する数少ない例として研究されている。赤い目は、捕食者が一瞬ひるむ隙に跳んで逃げる役割を担うと考えられている。
明日使えるうんちく
中米の熱帯雨林の象徴的存在として、環境保護のポスターやエコツーリズムの広告に頻繁に登場する「顔役」の両生類。卵は水面上に張り出した葉に産みつけられ、孵化したオタマジャクシが下の水たまりに落ちる繁殖様式を持つ。鮮やかな色彩から飼育人気も高く、飼育下繁殖個体が流通している。