施設の特徴
海遊館の特徴
ジンベエザメが泳ぐ環太平洋の大水槽
海遊館は、「すべてのものはつながっている」をコンセプトに、環太平洋の自然環境をめぐるように生きものを展示する世界最大級の水族館です。館内では約620種30,000点の生きものを飼育し、その中心にあるのが「太平洋」水槽です。ここでは世界最大の魚類であるジンベエザメが悠々と泳ぎ、イトマキエイ、ナンヨウマンタ、グルクマなど、外洋を思わせる魚たちと同じ空間で見られます。大阪府内はもちろん、関西でもジンベエザメを観察できる水族館として特に存在感があり、魚の大きさだけでなく、泳ぎ方や群れのまとまりまで一度に体感できるのが魅力です。
上層から海底へ潜るようにめぐる展示
展示方法の大きな特徴は、館内を上階から下階へ進みながら、海の表層から深部へ潜っていくように観察できる構造です。「太平洋」水槽は深さ約9m・水量約5,400tの巨大水槽で、同じ水槽でも上層・中層・下層によって見える生きものや行動が変わります。上ではジンベエザメの背中や水面近くの動き、下では腹側やエイの羽ばたくような泳ぎを見られ、角度を変えながら一つの海を読み解く展示になっています。さらに、日本の森、南極大陸、グレート・バリア・リーフ、日本海溝、北極圏など、地域ごとの水槽が連なり、滝や植物、氷上・海中、深海の暗さまで含めて、生物が暮らす環境ごと見せている点が海遊館らしさです。
繁殖実績とジンベエザメ研究を積み重ねる飼育拠点
繁殖・飼育面では、展示の華やかさの裏で、長期的な記録と研究が積み重ねられています。海遊館では、タテスジトラザメ、ヤッコエイ、オヤビッチャなどが日本動物園水族館協会の国内初繁殖に認定され、旧繁殖賞を含めると複数種で初繁殖実績があります。とくにタテスジトラザメでは、孵化までの日数だけでなく、飼育下での成熟年齢やサイズの解明にもつながっており、「増やす」だけでなく、生態を記録する繁殖研究として価値があります。
また、高知県土佐清水市の大阪海遊館海洋生物研究所以布利センターでは、海遊館で展示する生きものの収集・飼育と周辺海域の調査研究が行われています。ジンベエザメについては、飼育後に記録装置を取り付けて海へ放流し、回遊経路や自然下での行動を調べる取り組みを継続しています。バックヤードから「太平洋」水槽を見下ろす体験や、給餌時の大きな口の動きの観察も、単なる迫力演出ではなく、巨大魚の採食・健康管理・研究の現場を来館者に近づけるプログラムです。海遊館は、巨大水槽の感動と、飼育・繁殖・野外調査がつながっていることを実感できる水族館です。
