施設の特徴
王子動物園の特徴
コアラと大型動物を都市の中で見比べる動物園
王子動物園は、キリン、コアラ、アジアゾウなど約120種700点の動物を飼育する、神戸を代表する都市型動物園です。なかでもコアラは、国内でも飼育園館が限られる希少な有袋類で、王子動物園では1990年代から継続して飼育・繁殖に取り組んできました。ユーカリを主食にし、長い時間を樹上で休んで過ごすコアラの暮らしは、ライオンやアムールトラのような肉食獣、キリンやゾウのような大型草食獣とはまったく異なります。兵庫県内で、コアラ、アジアゾウ、猛獣、鳥類、小型哺乳類をこれだけまとまって観察できる施設として、動物の多様性を一度に感じられるのが大きな魅力です。
食事・水中・ふれあいで行動を近くに引き出す展示
展示方法では、動物の動きが出やすい場面を見せる工夫が目立ちます。ゾウのトレーニングでは、体の大きな動物が飼育員の合図に応じて動く様子から、知能の高さや健康管理の一端が伝わります。アシカは地下通路から水中を泳ぐ姿を観察でき、ペンギンも動物科学資料館の休憩ホールから水中行動を見られるなど、陸上で立つ姿だけでなく、泳ぎ方まで比較できます。サル類は「ふるさと」を意識した展示場で、枝を渡る、群れの中で距離を取るといった行動を間近に観察しやすい構成です。動物とこどもの国では、モルモットなどとのふれあいを通して、小さな動物の体温や動き方を体験的に学べます。
コアラとアジアゾウの繁殖が語る飼育の蓄積
繁殖・飼育面では、コアラとアジアゾウの実績が王子動物園らしさを支えています。コアラは1992年以降、6か月以上育った個体だけでも20頭以上を繁殖しており、2024年にも赤ちゃんが誕生して袋から顔を出しました。妊娠期間が短く、赤ちゃんが育児嚢の中で育つコアラの成長過程を、継続的な飼育記録とともに伝えている点は貴重です。アジアゾウでは、2004年に日本初のアジアゾウの出産例となる「モモ」が誕生し、2007年にもオスの「オウジ」が生まれました。授乳や人工哺育、骨折時の看護など難しい課題も経験しながら、その知見を次の飼育につなげてきた歴史があります。かわいさや迫力だけでなく、動物を長く健やかに育てるための試行錯誤まで見えてくる動物園です。
