施設の特徴
神戸どうぶつ王国の特徴
ハシビロコウを軸に希少動物を近くで見られる王国
神戸どうぶつ王国でまず注目したい生物は、世界的にも飼育数が少ないハシビロコウです。公式情報では、飼育下の個体は世界で30羽ほどとされ、「動かない鳥」と呼ばれる静かな姿だけでなく、大きな嘴を鳴らすクラッタリング、魚を狙う待ち伏せ型の狩り、湿地を歩く大きな足指まで観察対象になります。さらに、世界三大珍獣のひとつに数えられるコビトカバ、野生ネコで最も小さい種のひとつであるスナネコ、国内での飼育数が少ないスナドリネコ、マヌルネコなど、希少な哺乳類の展示も厚く、兵庫県内の動物園の中でも「珍しい生物を近距離で観察する」体験に強い施設です。
湿地・熱帯林・飛翔を行動ごと見せる展示
展示方法の核は、生物の行動が出やすい環境づくりです。「ハシビロコウ生態園 Big bill」は、国内最大級の広さをもつハシビロコウ展示で、アフリカの湿地を再現し、人工降雨や水位調整によって雨季と乾季の変化をつくっています。複数の巣を用意して巣選びを促すなど、ただ姿を見せるだけでなく、繁殖行動につながる環境を展示として見せている点が特徴です。熱帯の森では、ナマケモノやコモンマーモセット、ミナミコアリクイが樹上で過ごす姿を頭上近くに見られ、スナドリネコの展示場では、植物や倒木、水辺を増やして、木に登る、泳ぐ、獲物を狙うといった野生的な動きを引き出しています。フリーフライトバードパフォーマンスも、鳥の飛翔能力を空間全体で感じられる展示の延長にあります。
アジア初を目指す繁殖と親子展示の飼育技術
繁殖・飼育面では、ハシビロコウの繁殖への挑戦が施設の大きな個性です。飼育下での繁殖成功例は世界でも限られ、アジアでの成功例はまだないとされる中、神戸どうぶつ王国では2021年に繁殖を目的とした専用エリアを整備し、人工降雨、生息地植物の導入、巣の設置、雌雄分離飼育、大学との共同研究による糞中の性ホルモン測定、栄養管理などを積み重ねています。2025年にはコンゴ民主共和国から若いハシビロコウ2羽を迎え、将来の繁殖可能性を広げています。
そのほかにも、2025年にコビトカバ、2024年にマヌルネコ、2026年にフタユビナマケモノの赤ちゃん誕生が紹介されており、親子の様子を公開しながら、体調や育児状況に応じて展示時間や観覧方法を調整する姿勢が見えます。かわいらしさを前面に出すだけでなく、母親の神経質さや赤ちゃんの成長段階に配慮しながら見せる点に、飼育管理の丁寧さがあります。神戸どうぶつ王国は、近さと華やかさで楽しませながら、希少動物の繁殖・保全の難しさまで伝える動物園です。
