施設の特徴
那須どうぶつ王国の特徴
スナネコ・マヌルネコ・ライチョウに会える、希少動物の濃い王国
那須どうぶつ王国は、那須高原の自然の中で、世界各地の動物を環境や行動ごとに見せる動物園です。展示種の中でも特筆したいのは、国内での飼育例が限られるスナネコ、マヌルネコ、ツシマヤマネコ、ニホンライチョウ、ホッキョクオオカミ、ハシビロコウなど、保全や希少性の文脈を持つ生きものがそろうことです。スナネコは砂漠にすむ世界最小級の野生ネコで、足裏の毛で熱い砂に適応するなど、見た目の愛らしさだけでなく環境への適応が観察のポイントになります。ニホンライチョウは国の特別天然記念物で、ツシマヤマネコは国内希少野生動植物種。栃木県内で、こうした希少な野生ネコ類と高山性鳥類を同じ施設で見られる点は、那須どうぶつ王国ならではの強みです。
「近い」だけでなく、動物の行動が見える展示
展示方法の魅力は、動物との距離の近さを、行動観察につなげているところです。屋内外の展示エリアには、熱帯の湿地を再現した「ウェットランド」、ネコ科動物を中心に見せるエリア、猛禽類が飛ぶパフォーマンス、牧羊犬とヒツジの動きを見せるファーム系の展示などがあり、種類ごとの動き方や生活環境を比べやすくなっています。ウェットランドでは、ジャガー、ハシビロコウ、ワオキツネザル、コツメカワウソ、水鳥などを、ガラス越しや回遊しながら観察でき、ふだん見えにくい腹側や泳ぎ、採食行動にも目が向きます。フリーフライトの「BROAD」や「ザ・キャッツ」は、芸を見せるだけのショーではなく、鳥の飛翔能力、ネコ科動物の身体能力、動物とトレーナーの関係性を、生きた行動として見られる参加型の展示です。
繁殖・飼育の面では、2020年にスナネコの赤ちゃんが国内で初めて誕生したことが大きな実績です。誕生直後の低体温や脱水に対し、人工哺育で命をつないだ経緯は、珍しい動物を展示するだけでなく、飼育下で育てる技術を積み重ねてきたことを物語ります。また、ニホンライチョウでは2017年から生息域外保全に取り組み、受精卵の受け入れ、飼育、繁殖、野生復帰を見据えた活動を続けています。2022年には同園で繁殖した親鳥とヒナを含むライチョウが中央アルプスへ戻されており、展示がそのまま保全の現場とつながっています。ツシマヤマネコやボルネオ保全プロジェクトなども含め、那須どうぶつ王国は「かわいい」「近い」を入口に、希少動物を未来へつなぐ飼育・保全の取り組みまで感じられる動物園です。
