施設の特徴
NIFRELの特徴
ミニカバから小さな魚まで、多様性そのものを見せる
NIFRELは、海遊館がプロデュースする「生きているミュージアム」として、水族館・動物園・美術館の境界を越えるように生きものを見せる施設です。展示テーマは「多様性」で、色、毒、泳ぎ、擬態、動き、水辺のくらしなど、生きものの特徴ごとに出会い方が変わります。特に注目したいのは、絶滅のおそれがあるミニカバです。西アフリカの森林や沼にすむカバの仲間で、一般的なカバより小柄で丸みのある体つきが特徴です。さらに、ベンガルトラの白変種であるホワイトタイガー、器用に水を飛ばすテッポウウオ、砂から顔を出すチンアナゴ、色彩豊かな魚類、カピバラやワオキツネザルなども見られます。大阪の都市型施設で、魚類・両生爬虫類・鳥類・哺乳類を「能力」や「個性」の違いから横断的に比べられる点が、NIFRELならではの魅力です。
水槽や柵よりも、行動と感性に目が向く展示
展示方法の特徴は、生きものを分類順に並べるのではなく、「いろにふれる」「どくにふれる」「およぎにふれる」「かくれるにふれる」「みずべにふれる」「うごきにふれる」など、観察の切り口ごとに空間を変えていることです。「いろにふれる」では13台の水槽で魚の色彩の違いを見せ、「かくれるにふれる」では擬態や模様が生き残りの技であることを体感できます。「うごきにふれる」では、ワオキツネザルやカピバラなどが小川を隔てた空間を自由に動き、来館者は柵の向こうの動物ではなく、同じ場にいる生きものとして行動を追えます。「みずべにふれる」では、ミニカバやホワイトタイガーなど水辺に関わる大型動物を、陸上と水中の両方から観察でき、泳ぐ、休む、食べるといった日常の動きそのものが展示の主役になります。
繁殖・飼育の面では、ミニカバの飼育実績が大きな柱です。NIFRELではこれまでに、タムタム、テンテン、ネムネムの3頭のミニカバの赤ちゃんが誕生しており、父モトモトと母フルフルの血統をもとに、国内の園館と協力しながら繁殖に取り組んできました。生まれた個体がほかの施設へ移動し、将来の繁殖につながっていく流れは、絶滅危惧種を一館だけで抱え込まず、国内全体で守る取り組みとして重要です。また、学術研究・発表にも継続して取り組み、コクテンフグの卵や仔魚、ネズミフグの繁殖行動、サメ類への来館者効果など、展示の裏側で飼育技術や行動理解を深めています。美しい展示空間の奥に、生きものの健康、繁殖、行動観察を支える専門的な積み重ねがある施設です。
