施設の特徴
高知県立のいち動物公園の特徴
約105種1400匹と、全国唯一のカワウソ3種比較展示
高知県立のいち動物公園は、「人も動物もいきいきと」を掲げ、動物の生息地に近い環境づくりを重視する動物園です。園内では約105種1400匹の動物が暮らし、温帯の森、熱帯の森、アフリカ・オーストラリアゾーン、ジャングルミュージアム、こども動物園という環境別のまとまりで出会えます。特に温帯の森では、カワウソ3種を比較展示する全国唯一の構成が大きな見どころです。種類ごとの泳ぎ方、体の大きさ、遊び方の違いを見比べられるため、「カワウソ」と一括りにせず、生息環境に合わせた個性を観察できます。ほかにも、翼を広げると約2mになるハシビロコウ、群れで社会行動を見せるチンパンジー、水かきを持ち泳ぎも得意なヤブイヌ、尾を枝に巻きつけるビントロングなど、体のつくりと暮らし方が結びついた動物がそろっています。
檻や柵を目立たせず、環境の中で行動を見せる
展示方法の魅力は、動物を単体で見せるのではなく、森や湿地、サバンナ、熱帯雨林といった「すみか」の雰囲気ごと観察できることです。アフリカ・オーストラリアゾーンでは、三宝山を背景にした広いサバンナ展示場で、アミメキリンやグラントシマウマが草を食べたり歩いたりする姿を複数の場所から眺められます。熱帯の森では、地上10mのタワーを使ってシロテテナガザルが腕渡りをするなど、立体的な動きが引き出されています。さらに国内最大級の熱帯雨林館「ジャングルミュージアム」では、地上2階・地下1階の空間に、樹上の哺乳類、地上の動物、水中の魚類や爬虫類をまとめ、スコールや霧も再現。ビントロングが高い場所でバランスを取り、マレーグマや熱帯の動物が湿った環境の中でどう反応するかまで見られる、行動重視の展示です。
繁殖・飼育の面では、希少種や飼育下での観察が難しい動物に対する継続的な取り組みが光ります。2025年にはコツメカワウソの子どもが誕生し、同園では1995年以来30年ぶりの繁殖となりました。母親と子どもの展示時間を調整しながら公開している点からも、来園者の見やすさだけでなく、親子の状態を優先する飼育姿勢が伝わります。また、ニシキマゲクビガメでは繁殖目的で導入したペアから、同園初となる孵化にも成功しています。マレーグマについては、ボルネオマレーグマ保護センターとのパートナーシップを結び、エンリッチメントや保全啓発にも取り組んでいます。のいち動物公園は、自然に近い展示で動物の行動を見せるだけでなく、繁殖、健康管理、野生下の保全へ関心をつなげる動物園です。
