施設の特徴
福山大学マリンバイオセンター水族館の特徴
瀬戸内海の魚を中心に見られる大学水族館
福山大学マリンバイオセンター水族館は、因島の海に面した大学の研究施設を一般公開し、瀬戸内海の生きものを中心に紹介する水族館です。主役となる「せとうち大水槽」では、マダイ、コブダイ、イシダイ、マアジ、シマアジ、イサキ、キジハタ、メジナ、コバンザメなど、瀬戸内海で出会う魚たちをまとめて観察できます。さらに、マダコ、ホシガレイ、ウツボ類、ウナギ、クロウミウマ、ゴンズイ、カワハギ、セトダイ、キュウセンなど、小さな魚から底生魚、毒をもつ魚まで幅広く展示。因島周辺で、瀬戸内の海の多様性を大学研究の視点とあわせて見られる点が大きな魅力です。
150トン大水槽とテーマ別水槽で、生態の違いを見せる
展示方法の柱は、水量150トンの大水槽と、テーマごとに分けられた小型水槽群です。大水槽では、瀬戸内海の魚が群れで泳ぐ姿や、大型魚のゆったりした動きを広い視界で見られます。一方、「からだと暮らし」ではタコやカレイ、ウツボ、ウナギなど、隠れる・潜る・体をくねらせるといった暮らし方に注目できます。「ちいさな生き物」ではタツノオトシゴの仲間や毒針をもつ魚を近くで見せ、タッチングプールではイトマキヒトデ、ムラサキウニ、マナマコ、スジエビモドキ、ハゼ類など、磯や干潟の生きものの手触りまで体験できます。見る、比べる、触れるを組み合わせた構成が、大学水族館らしい学びの深さにつながっています。
研究展示とバックヤードに表れる、育てる技術
繁殖・飼育の面で特に注目したいのは、展示が大学の研究と直結していることです。「福大サイエンス」では、瀬戸内海の里山・里海に関する研究や、シロギスの養殖技術開発を進める「しまなみテッポウギスプロジェクト」などを、水槽展示を通じて紹介しています。シロギスでは親魚の育成、採卵、稚魚までの種苗生産、養殖技術の開発が進められてきた研究テーマで、食用魚を安定して育てる技術が展示の背景にあります。バックヤードでは展示準備中の生きものを飼育し、アクアリウム科学実習、学芸員実習、卒業研究にも活用。生きものを「見せる」だけでなく、育て、調べ、展示へつなぐ過程まで水族館の一部になっています。
学生がつくる、瀬戸内と備後の生物展示
この水族館ならではの温度感は、海洋生物科学科の学生が主体となって運営や展示づくりに関わっているところにもあります。備後地区の河川生物を扱う水槽では、カワムツ、タモロコ、オヤニラミ、カマツカ、シマドジョウ類、ヨシノボリ類などを展示し、採集、水槽のレイアウト、種名板づくりまで学生が担っています。海の大水槽だけでなく、川の小さな魚まで扱うことで、瀬戸内海と周辺河川がつながる地域の水環境を立体的に理解できます。研究施設でありながら、来館者には身近な海と川の生きものを親しみやすく伝える、しまなみ地域らしい水族館です。
